山陰海岸ジオパークは、京都府の京丹後市、兵庫県の豊岡市、香美町、新温泉町、鳥取県の鳥取市、岩美町にまたがる東京都よりひとまわり大きいエリアです。
ジオパークは地球や大地を意味する「ジオ」と公園を意味する「パーク」を組み合わせた造語でなんとなく難しそうですが、
ジオパーク流散策には次の3つの楽しみ方があるそうです。
①素晴らしい景観そのものを楽しむ
②景観がどう形成されたのかを知って楽しむ
③そこで営まれる人々の暮らしを知って楽しむ
今回は、紅葉の見ごろを迎えた城崎温泉を訪れました。
城崎温泉街の中心を流れる大谿川(おおたにがわ)。
大谿川と柳並木が城崎温泉特有の風情を醸し出しています。
今回の散策では護岸に注目です。
護岸をよく見ると玄武岩が規則正しく積まれています。
これは1925年の北但大震災から復興する際、崩れた玄武洞の玄武岩を船で運び護岸整備に活用されたものです。
ちなみに現在は玄武洞が国の天然記念物に指定されており、玄武岩を持ち出すことはできないそうです。
今回の散策でめざす場所は、城崎を代表する紅葉の名所「東山公園」です。
温泉街に隣接した小高い山に位置し、展望台からは城崎周辺の風景を360度見渡すことのできる絶好のスポットです。
東山公園へ向かう登り口までは城崎温泉駅から歩いて10分くらいです。
登り口から10分くらい歩くと山頂に到着します。
紅葉のトンネルが出迎えてくれます。
見上げると山頂付近の紅葉は見ごろを迎えているようです。
山頂には3階建ての展望台がありそこから見える風景は?
期待が高まります。
3階建て展望台の屋上まで上ると360度の紅葉風景を楽しむことができます。
また鳥の目線で見ることができるので、城崎温泉がどのような場所にあるのか知ることができます。
縄文時代、豊岡盆地は深さ30~40mの湾だったそうです。
そう考えると、北側の津居山などの山々が当時は小島だったのかもしれません。
津居山方面から少し左へ視線を移すと桃島池が見えます。
桃島池には絶滅危惧種であるヒヌマイトトンボが生息し、国際的に重要な湿地ということでラムサール条約に登録されています。
津居山方面から少し右へ視線を移すと工事中の城崎大橋が見えます。
令和6年度に完成予定で、城崎温泉と玄武洞間のアクセスが強化され観光振興にも寄与すると期待されています。
さらに右側に視線を移すと円山川の向こう側に楽々浦湾が見えます。
円山川の運んだ砂や泥でせき止められてできた入り江で、渡り鳥の休憩地になっているそうです。
さらに右側に視線を移すと城崎温泉駅が見えます。
駅より向こうの円山川沿いは道路と鉄道が走るくらいの平地しかないことが分かります。
円山川沿いの道路が整備されるまでは、城崎へのアクセスは主に船だったそうです。
さらに右側に視線を移すと温泉街が見えます。
少ない平地に家々が密集しているのがよく分かります。
城崎温泉街の地名は「湯島」、桃島池の地名は「桃島」。
昔、城崎へのアクセスが主に船であったことを考えると、当時の人は「島」に行く感覚だったのかもしれません。
城崎温泉街は平日にもかかわらず多くの観光客が訪れていました。
東山公園は人も少なめで、ゆっくり散策を楽しむことができました。
但馬の南地域は、かなり紅葉が進んでいるようですが、城崎周辺はこれから11月下旬にかけて見ごろを迎えるようです。
外湯巡りのほかにも見どころの多い城崎温泉。
この時期にしか味わうことのできない城崎温泉にお出かけされてはいかがでしょうか。
2022但馬紅葉だより
取材日2022年11月12日
取材日2022年11月10日
取材日2022年11月10日
取材日2022年11月6日
取材日2022年11月6日、11月19日 2週間後の様子を追記しました。