2022年8月1日、玄武洞公園はリニューアルオープンしました。
地球磁場の反転を解明するきっかけになった玄武洞は、山陰海岸ユネスコ世界ジオパークの代表的な見どころの1つです。
今回はジオパークとアートが融合した玄武洞公園の新たな魅力を体感するため現地を訪れました。
スロープを上っていくと豊岡市のマスコットキャラクターである「玄武岩の玄さん」のお出迎えです。
入場ゲートをくぐり、玄武岩の敷き詰められた石畳の階段を上っていきます。
見事な柱状の節理(岩石の割れ目)を持つ玄武洞。
見た目は鍾乳洞に似ていますが、石灰岩が雨水などに侵食されてできた洞窟の鍾乳洞と違い、玄武洞の洞窟は採石によりできたものです。
昔は、採石された玄武岩は家の石垣や庭石、漬物石に使用されていたそうですが、国の天然記念物に指定されてからは持ち出すことはできません。
玄武洞とともに国の天然記念物に指定されている青龍洞。
洞の高さ33m、幅40mにも及び、曲線型の柱状節理は、世界的にも珍しいと言われています。
「自然を見せる野外ミュージアム」をコンセプトに、9月末までの期間限定でライトアップが行われています。(午後7時から午後9時まで)
昼間の玄武洞も神秘的で迫力がありましたが、ライトアップの演出で神秘的な雰囲気が増しています。
ライトアップされた青龍洞を楽しみに遊歩道を歩いていると、豊岡市街地の灯りが遠くに見え、玄武洞という非日常的な空間にいることを実感できます。
遊歩道を抜けると、紅に染まった青龍洞が目の前に現れました。
昼間とは全く違う非日常感。
非日常感に浸っていると青色へと変化。
海底にいるかのような感覚。
ライトアップによる演出が続き、自然美との融合に魅了されます。
約160万年前に起こった火山活動によって、流れ出たマグマが冷えかたまった玄武洞や青龍洞。
地球活動の時間に合わせるかのように時がゆっくりと流れる感覚を現地で体感されてはいかがでしょうか。
今回のリニューアルで、自然が生み出した雄大な景観を見るためのいすや観覧ステージが新たに設置されました。
そのステージを活用して、午後8時30分から豊岡演劇祭2022 公式プログラム「山月記」が上演されるということで、開演90分前にもかかわらず、多くの方が演劇を楽しみに来場されていました。
家の石垣や庭石、漬物石に使用された玄武岩を産出するための玄武洞。
ずっと採石を続けていれば今日の玄武洞を楽しむことができなかったかもしれません。
1931(昭和6)年、玄武洞を国の天然記念物に指定し、観光資源へと転換させた当時の豊岡の人たちは、現代のSDGsやユネスコ世界ジオパークが目指す「持続可能な地域づくり」を約100年前に取り組んでいたとも考えられ、先人の知恵の素晴らしさを感じます。
ジオパーク流散策の楽しみ方
取材日2022年11月17日
取材日2022年5月29日
取材日2022年4月2日