3月11日早朝の朝来市は気温が氷点下となり、久しぶりに田畑に霜が降りていました。
そうした中、朝来市佐嚢の神子畑地域でミツマタが咲き始めているとの情報を聞いて、現地を訪れてみました。
神子畑選鉱場は、1919年(大正8)に明延鉱山の選鉱施設として建設され、最盛期には規模・産出量ともに東洋一と謳われた選鉱施設です。
現在は、建物は解体され、液体中に混じる固体粒子を分離する装置シックナーや選鉱場の上下を結んでいたインクラインの跡などが残っています。
また、春には桜がきれいなことでも知られています。
ミツマタの群生地は、神子畑選鉱場跡より2kmほど手前の神子畑鋳鉄橋の近くにあります。
神子畑鋳鉄橋は、神子畑鉱山で採鉱された鉱石を生野の精錬所へ運ぶために作られた「鉱石の道」にある日本最古の鋳鉄橋で、国の重要文化財に指定されています。
鋳鉄橋近くのポケットパークに止めて、川下にある目的地に向かう道中、神子畑川沿いのコブシの花が満開でした。
2~3分ほど歩くと、国道429号線沿いの山林の斜面でミツマタの群生地を見つけました。
ミツマタは、早春に枝の先に花が咲き、大きくても高さ2mほどの落葉樹です。
先端が3つに枝分かれしていることからミツマタと呼ばれるそうです。
枝先に花だけが開花する姿は、とても趣があります。
また、ミツマタの皮は古くから和紙の原料として知られ、紙幣などにも使われています。
地元の方に話を伺うと、現在は咲き始めの段階で、満開になればもっと黄色になり綺麗だそうです。
例年であれば3月下旬に満開になるそうなので、神秘的な産業遺産である神子畑選鉱場跡の見学とあわせて訪れてみてはいかがでしょうか。
満開のようすはこちら
2020.3.18投稿 ミツマタの花が満開
今年の桜の開花は、全国的に例年よりも1週間くらい早いと予想されています。
ミツマタが満開になれば、いよいよ桜を楽しめる季節になりますね。
春の兆しを探して
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取材日2021年3月4日