たじまのしぜん

イヌタヌキモ

イヌタヌキモ タヌキモ科

兵庫県は日本一ため池が多い県です。(24,400個:令和2年3月 農林水産省農村振興局整備部防災課調べ)しかしそれは瀬戸内側の話で、但馬にはすぐに数えられるほどしかありません。しかも埋められたり、改修されたりして自然度の高いものはほんのわずかしかありません。そのような理由で、瀬戸内側には普通にあっても但馬では非常に珍しいという水生植物がいくつもあります。

ヒツジグサもそんな植物で、私は4箇所の池で知っていたのですが、家の近くの3箇所では10年以上前に姿を消しており、最後に残る遠方の池に20数年ぶりに行ってみました。
残念ながらその池にもヒツジグサは見られませんでした。がっかりしたものの但馬ではなかなか見られない黄色い花が咲いていました。それが今回紹介するイヌタヌキモです。

この植物にはイヌとタヌキと二つも動物の名前が出てきます。

タヌキモという植物があって、その植物によく似ているが本物じゃないということでイヌがついているようです。それでタヌキというのは葉の様子がタヌキの尾に似ていることからの命名のようです。

イヌタヌキモは、水に浮かぶ浮遊性の植物で根はありません。貧栄養〜富栄養のため池、水田などに生育するとされていますが、この池の場合は大量のヒシやヒルムシロが一緒に生えていたので富栄養に近いのかなと思います。

茎は細く、全長は1mを越えるものもあります。葉の長さは1.5〜4.5cm、基部で2本の枝に分かれ、さらに平面的に互い違いに何回か分枝します。植物体全体は羽状に広がり、なるほどタヌキの尾のようにも見えます。

葉と一緒についている丸いものは、捕虫嚢という袋です。白っぽいものも黒いものもあります。4mm前後の大きさがあります。タヌキモの仲間は、食虫植物で、ミジンコなどの水中のプランクトン類をこの袋の中に吸い込んで、消化酵素や細菌の働きで分解し栄養分を吸収します。捕虫嚢が平べったくつぶれて見えるのは、袋の中の水圧が、まわりより低くなっているからです。袋には口がありますが、そこに細い毛があり、ミジンコなどが触れると瞬間的に開いて、水が流れ込みます。その時にプランクトンも一緒に吸い込まれてしまうのです。

花は7月~9月くらいに咲きます。花茎は長さ10〜30cmで、3〜10花をつけます。花茎はふつう茎より太く、断面は中がつまっています。非常によく似たタヌキモは穴が空いており、穴の有無は識別点になります。

私はこの池のタヌキモが、イヌタヌキモなのかタヌキモなのか分かりませんでした。重要な識別点である殖芽ができるのを待ちました。殖芽はタヌキモは卵球形で、イヌタヌキモは長楕円形です。秋が深まった頃、殖芽ができていました。イヌタヌキモのようです。同定をお願いしていた知人からもイヌタヌキモと連絡が来ました。

イヌタヌキモは殖芽を残して枯れてしまいます。イヌタヌキモは殖芽で越冬します。

この記事を書くために調べて一番驚いたのはため池の数です。私はずっと兵庫県のため池は5万~6万あると思っていました。昭和53年5月の構造改善局防災課の調査では54,187 個となっています。それが令和2年3月の農林水産省農村振興局整備部防災課の調査では24,400個になっています。大きな変化が起きているようです。

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