朝来市・養父市・豊岡市を貫き日本海にそそぐ但馬最大の河川「円山川」。
その長さは、68kmで、流域は但馬全域の61%を占めています。
今回は、その源流付近を探ってみたいと思います!
円山川の源流は、その名の由来ともいわれている朝来市生野町「円山」付近の内尾谷というところです。
銀山町で有名な生野町口銀谷より少し北に行ったところにあります。
国道312号線の道路沿いの看板に「この先円山川源流」の文字が…
国土交通省豊岡河川国道事務所のホームページによると
円山川の源流は、もともと円山(丸山)という山からの流れだったそうですが播但連絡道路の工事により
現在の場所、内尾谷に変わったとのことです。
円山川の源流付近には「内尾谷 熊野神社」があります。
なんとも厳かな雰囲気が漂います。
神社の境内には「生野銀山発祥之地」の石碑が…
なんでも「但州金銀山由来記」という古文書にこの付近が銀山の発祥の地と記されているそうです。
石碑の隣にある石は、旧坑口から発見されたもので「元文元年辰(1736年)」と刻まれているとのことです。。
神社より先は、このような石ころがたくさんある小川が続いています。
川は二股に分かれていて山の上に続いているようでした。
この先が円山川の源流であるとのことです。
源流付近の小川は、とても水が澄んでいてきれいでした。
川の中除くと、魚が元気に泳いでいましたよ。(少しわかりにくいですが)
ここから円山川は、氷ノ山を源流とする大屋川や八木川、さらに稲葉川、出石川、奈佐川などと合流して日本海を目指します。
円山川に沿って、いくつかスポットを紹介しながら但馬を北上してみます。
こちらは、円山集落付近を流れる円山川の様子です。
まだまだ、川としては集落の中を流れる小さな川という様相を呈しています。
日本遺産「鉱石の道」羽渕鋳鉄橋(朝来市羽渕)のそばを流れるのも円山川です。
この橋を渡って、神子畑選鉱場から生野へ鉱石が運ばれていったそうです。
下流の雰囲気とはまた全然違いますね!
紅葉で有名な養父神社のそばにも円山川は流れています。
円山川右岸沿いを走る右岸道路でも車窓から桜がきれいな桜並木を眺めることができます。l
(右岸道路の桜の写真は、ぶらたじまさんの2020年4月3日投稿記事をご覧ください)
豊岡市の円山大橋から上流側をみた円山川です。
豊岡盆地の勾配が1万分の1と、とてもゆるいということもあり、円山川は昔から洪水を引き起こしてきました。
近年(昭和初期の大改修以降)は、円山川の治水事業が行われてきたことによりその回数も減りましたが
2004年(平成16年)の台風23号による洪水は記憶に新しいですね。
そういった反面、真水と海水が入り混じる汽水域の範囲も広く
多様な生物が生育するといことで近畿の1級河川の中では、植物や魚類の種類が最多だそうす。
豊岡盆地円山川の支流である出石川沿いの加陽湿地です。
コウノトリがえさを探す様子もよく見かけます。
この湿地は、円山川流域の生物多様性を保全するため、つくられた人工湿地です。
(写真は、たじまんさんの2020年5月8日の投稿記事より)
こちらは、円山川河口付近、城崎大橋周辺上流を眺めた画像です。
さすがの流量ですね。
この場所から眺めると玄武洞付近の玄武岩が川を狭めているのがよくわかります。
このあたりでは、「川あらし」という珍しい現象が見れます。
川あらしとは、川から海へ水面の霧が勢いよく流れ出る幻想的な自然現象で
鹿児島県の川内川、愛媛県の肱川と並んで、円山川の川あらしは「日本三大川あらし」に数えられるそうです。
※こちらの神戸新聞の記事で円山川の川あらし動画を見ることができます。
このように、風景としても、生活としても、自然環境としても…
円山川は、流域の地域に暮らす人々の生活になくてはならない川となっていますね。