ベニバナセンブリ 2015年 但馬空港
ベニバナセンブリ リンドウ科
ベニバナセンブリを初めて見たのは15年近く前のことです。パソコン通信で知り合った理科の先生達と淡路島を見て回ったときのことです。「ムシトリナデシコ仲間?」なんて見当違いなことを思って図鑑を見ましたが、結局、何の仲間かさっぱり分かりませんでした。一緒に回っていた方が関東の高名な先生に尋ねられてようやく「ベニバナセンブリ」と知りました。買ったばかりの『神奈川県植物2001』に線図が載っていました。数年して『日本の帰化植物』平凡社や『日本帰化植物写真図鑑』全国農村教育協会が出版されて初めてカラー写真を見ました。「そうそう、これこれ」と思いました。
ところが、これが間違いだったのです。なんとどちらの図鑑も非常によく似た「ハナハマセンブリ」の写真なのだそうです。そんなこととは全く気づいていない私は非常によく似た種が2種あることに気づかずこんなのはみんなベニバナセンブリと思っていました。『神奈川県植物2001』にはハナハマセンブリのこともしっかりと書いてあったんですけどね。あ~あです。
ハナハマセンブリ 2015年 自宅
さてそのベニバナセンブリと私が思っている植物に再会したのは、2013年のことです。但馬空港の横にあるイベント広場の駐車場だったところです。たくさんありました。1000個体以上はあったでしょう。そこで私の靴に種子が着いたのでしょうか。翌年、わが家の庭で数株が開花しました。今年は、20株近くに増えました。
今回、この記事を書こうと思って調べました。驚きました。我が家のベニバナセンブリは、ハナハマセンブリでした。もう1種類あったんですね。しかも持っていた図鑑(第1版)はどちらも間違っているのだそうです。幸い最近買った『植物観察図鑑おどろき編』に解説がありました。
ベニバナセンブリ 2015年 但馬空港 花の時期に地面に接した葉があるのもベニバナセンブリの特徴らしいが、例外も多いらしい。
ベニバナセンブリ 2015年 但馬空港 ベニバナセンブリは2年草。ハナハマセンブリは1年草。だからこれはベニバナセンブリのはず
但馬空港に調べに行きました。ここには、ベニバナセンブリがありました。たくさんありありました。ハナハマセンブリもところどころありました。これでようやく分かりました。
2015年 但馬空港 手で持ったベニバナセンブリをハマハナセンブリにくっつけたやらせ写真
花びらが違います。並べてみると一目瞭然です。ベニバナセンブリは幅が広く淡い紅色で、ハナハマセンブリは幅が狭く鮮やかな紅色です。
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2015年 但馬空港 実際にこんな感じで混生している。場所によってどちらかが多いが原因は分からない。ここでは、総数としては、ベニバナセンブリの方が多いよう思う。