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カワラハハコ 動く川の中で

カワラハハコ キク科

2021年は円山川のカワラハハコにとってなかなか試練の年でした。
まずは上の写真を見てください。2020年の写真です。近年稀な大繁茂でした。今から思うと、まさに絶頂、ピークでした。数千、ひょっとすると万に近い個体数があったかもしれません。2021年もきっとすごいことになるのだろうなとワクワクしながら年を越しました。

ところが、2021年、ちょっとした増水があったんですね。そのために写真の場所は全部、それこそ根こそぎ流されてしまいました。完全にリセットです。きれいさっぱり石が入れ替わりました。

石が入れ替わったどころではありません。地形が変わった場所もあります。上の写真の場所は出っ張りが失われて、さらにえぐられてくぼんでいます。川としてはいつものこと、ごくありふれたイベントです。なので「カワラハハコはこんな場所が生育地なのですから想定内なので心配ありません。」と言いたいのですが、今はそうも言っていられないのです。

この場所は今の円山川では珍しく川がよく動く場所です。川の中で青く囲っていある部分が2021年にカワラハハコが生育していた場所です。大きい方は国土地理院の地図上だと水の上で、小さい方は中州の上ですね。写真でも分かるように大きく地形が変わっています。カワラハハコは、そんな中、平気で生き続けてきた種なのです。
カワラハハコは、かつては円山川の上流域からこの辺りまで、大屋川、出石川でも記録があります。それが今、大きな群落はもうここだけ。そして小さな群落が養父市に1カ所だけになっています。

2020年の秋に見られた芽生えです。今回、全て流されましたが、ここで見ていただきたいのは芽生えはどんな場所に出てくるかです。他の植物が全くない丸い石の河原、すき間には砂が入っています。こんな所でしか発芽できないのです。
今年の増水でもこんな環境ができました。ですから、きっと2022年はたくさんの芽生えが出てくると期待できます。しかし、また増水したらどうでしょう? 流されてしまいますね。それでは2023年に期待しましょうとなりますね。種子を供給する親個体が十分あればそれで大丈夫です。ところがそれが心許ないのです。

2020年の親個体。一段高いところに生育している。

2021年の親個体。2020年と同じ場所。

2021年の親個体です。立派にたくさんの種子を散布しました。ここで注目してほしいのは株元です。細かい砂や泥で埋まっていて、丸い石は全く見られません。これはカワラハハコには不利な環境なのです。他の植物が入ってきてしまうのです。

先ほどの写真の少し上流部分です。これが先のカワラハハコ群落の近い未来です。ツルヨシにおおわれてカワラハハコは青息吐息です。先ほどの場所は、あと数年でこの状態になり、さらに数年で姿を消す可能性が高いのです。
この高い場所は、ちょとした増水では流されませんが、他の植物が侵入してきます。低い場所は他の植物は侵入してきませんが流されます。カワラハハコは、あちらこちらと絶妙に渡り歩きながら命をつないできました。そんな芸当ができたのは、川の上流から下流まで広く分布し、しかも川が自由に暴れることができたからです。川はどんどん自由度を失っています。人がカワラハハコを追い詰めたと言ってもよいと思います。
なんとかしたいと考えて、とりあえず種子を播く実験などをしています。そのお話はまた書きます。

下にカワラハハコの強敵であるシナダレスズメガヤについて書いています。時間がありましたらあわせてお読みください。
その場所は、かつてはカワラハハコの最大の群生地でした。現在は、0に近いと思います。

シナダレスズメガヤ 礫河原に進出中

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