たじまのしぜん

コルリ

復活の兆し

夏鳥の中でも、オオルリはよく知られる一種で、渓流沿いの高い木のてっぺんで朗々とさえずっているのを、わりと簡単に観察することができます。ただ、高い見上げの空抜けのオオルリは、お腹の白い色が目立つくらいで、背中の美しいルリ色は黒いシルエットにしか見えないのがほとんど。見下ろしの位置でオオルリを見つけると、その美しいルリ色に出会えるでしょう。

さて、今回紹介する野鳥はコルリ。大瑠璃に対して小瑠璃です。名前の通り、オオルリよりひと回り小さいルリ色の夏鳥で、但馬では1000m級の山岳地帯に生息しています。

オオルリに羽根色がよく似ていますが、コルリは喉が白いところがオオルリとの決定的な違いです。また、オオルリが渓流沿いに生息するのに対し、コルリは森の林床に生息します。特に但馬山岳のブナ林の林床に特徴的な、チシマザサの藪を好んで利用します。

笹薮の奥から、コマドリに似た美しい囀りが聞こえてくると、コルリの存在を感じます。しかし、姿を見つけるのはなかなか難しい鳥で、これまでうまく撮影できなかった相手の一つでした。

そのコルリの声が年ごとに減って来て、とうとう、いつもの林道沿いではまったくコルリの声がしなくなりました。増えたシカがチシマザサを壊滅的に食べつくしてしまい、コルリの生息環境を奪ってしまったからです。

この5月、いつもの観察ポイントで、ずいぶんご無沙汰していたコルリと出会うことができました。早朝、繁殖期に入ったコルリは自分の縄張りの見晴らし台に作ったソングポストと呼ばれるお立ち台で、大きな声で囀りを続けていました。

「ツン・ツン・ツン・ツン…」と聞こえる長いイントロのあと、「チチョ・チチョ・チチョ」とか「チーチュル・チーチュル」とかのメロディを奏でます。小さな体から、森じゅうに響き渡る大きな美しい声で囀ります。

コルリと久しぶりに山で出会えたことは、つまりは、コルリがまたここで繁殖できる生息環境が戻ってきたことに他なりません。シカの群れは但馬山岳を南から北へと大移動し、日本海に到達した後は西に向かって移動を続けています。これまでシカ食害の少なかった但馬の西エリアがどんどん侵されて行っています。

そして、シカの密度が少し下がって来たこれまで大きな食害を受け続けてきた山岳帯では、徐々に緑が復活して来ています。すっかり土色だったブナ林の林床に、下草の緑が出てきました。チシマザサもゆっくり回復して来つつあります。

植物相のゆっくりとした復活の兆しを、一旦ここから居なくなったあと戻ってきたコルリの囀りによって知ることができます。

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