ニホンイトヨ トゲウオ目 トゲウオ科
新聞でご覧になった方もあるかと思いますが、今月26日、豊岡市城崎町の「ハチゴロウの戸島湿地」で、ニホンイトヨという魚の生息が確認できました。円山川水系で確認されるのは5年ぶりです。環境省レッドリストでは「絶滅のおそれのある地域個体群:LP」、兵庫県レッドリストでは、絶滅の危機に瀕しているなど、緊急の保全対策が必要な「Aランク」に指定されています。かつては豊岡盆地でも何か所かで姿を見ることができたようですが、近年激減しています。但馬では円山川水系の他に、新温泉町の岸田川でも生息の記録があります。
ニホンイトヨは春、海から川へ遡上して産卵します。ふ化した稚魚は海へ下り、翌年成魚となって川に遡上して繁殖します。流れのゆるやかな小川で産卵をします。湧き水のある場所を好むようです。川に堰堤などがあると遡上できないので、繁殖のためには海との連続性のある環境が必要です。かつては「イトヨ日本海型」と呼ばれていました。
ハチゴロウの戸島湿地の管理運営をされているNPOコウノトリ湿地ネットさんが、数年前からこの時期に調査をされています。私も調査に加わっていまして、今年ようやく姿を見ることができました。
背びれには棘があります。トゲウオ科魚類の特徴でもあります。
地方によっては、「トゲサバ」と呼ぶそうです。胴体後部を見ると、細い尾の付け根や銀色の体色がサバに似ています。
早く手を打たなければ、ニホンイトヨは但馬からは絶滅してしまうかもしれません。それを防ぐためには、湧き水のある小川と、海の間を魚が自由に行き来できる環境を取り戻すなどの取り組みが必要です。
写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣 和也