夏のトンボの代表格はヤンマの仲間で、オニヤンマやギンヤンマといったポピュラーな種は子供たちの人気の的です。虫好きの大人にも人気のヤンマが、今回紹介するオオルリボシヤンマです。
豊岡盆地では山際のため池で少数が生息しており、9月に入ってから古くから知られている産地で確認できました。7月、8月の盛夏の間、何度か通ってチェックしましたが、暑い時期には見つけることができませんでした。
このオオルリボシヤンマを、9月10日のコウノトリの郷公園のビオトープ池で確認しました。ここでは、おそらく初めての観察記録になると思います。
オニヤンマやギンヤンマのように、遠目からでも分かる色模様が目立たないため、うっかりすると見逃してしまいそうです。体長はギンヤンマと同じか、少し大きい程度。望遠レンズで引き寄せてみると、このトンボの美しさが分かります。胸の条紋は緑色で、腹部のストライプや斑点がルリ色。複眼もルリ色です。色は個体差があり、緑っぽいのや青っぽいのがいます。
池の上を行ったり来たりしながら、自分の縄張りを宣言しています。速いスピードで直線的に飛び、観察中はホバリングを見せることもなかったので、動体撮影はなかなか難しいものがありました。
このときは、おそらく3頭のオオルリボシヤンマがいたと思います。ときどき2頭、3頭が激しく空中で絡み合うシーンが見られました。縄張り争いか、メスを巡る攻防かは分かりませんでした。
9月に入ってから2ヶ所でオオルリボシヤンマを確認したことから、本種の豊岡盆地での出現時期が推測できそうです。また、コウノトリの郷公園という新たな産地が加わり、本種の勢力拡大の可能性にも今後注目したいと思います。
写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信