8月21日(日)に伊福部神社で『愛宕の火祭り』が開催されたので見てきました。圧倒的な感動を受けたので、それが伝わるような報告ができればと思います。
『愛宕の火祭り』は、伊福部神社境内で無病息災を祈念して、荒縄で束ねた麦わらに火をつけて振り回す勇壮な火祭りです。祭りの起源は古く、江戸時代中期にさかのぼるとされ、出石藩内で火災、風水害が頻発したことで、藩内の守護のため京都の愛宕神社を分祀したことが始まりと言われています。
オープニングの餅まきには間に合いませんでしたが、次に行われた演舞「浦安の舞」から紹介したいと思います。地元の福住小学校の巫女さんによる舞で、初々しくも厳かで、よくここまで練習されたなと感動しました。
巫女の舞に続いて、和楽器奏者の森元了氏による篠笛演奏が行われ、素晴らしい調べが響き渡りました。
愛宕の火祭りは、伊福部神社裏にある七年山中腹の愛宕神社での火起こしの儀、採火の儀で始まり、採火された御神火はホラ貝を先頭に地区の子どもたちが伊福部神社まで送り届けます。伊福部神社境内に着いた御神火は分火され、灯篭やかがり火に点火し、火祭り・火振りの本番を迎えます。
そこでまずは、伊福部神社境内から280段の長い石段を登り詰めたところにある愛宕神社での神事から紹介します。(280段の石段はかなりの急登できついです。)
最初は火起こしの儀ですが、木と木をすり合わせて火を起こすという縄文人さながらの原始的な方法で、本当に大変そうです。実に火起こしは1時間近くもかかり、火がどれだけ奇跡的で有難いものか思い知りました。ちっちゃな火種を炎まで育てようと拝むように息を詰めて扱われている様には感動しました。
火が起きれば巫女がその火を受け取り、そして地区の子どもたちがタイマツに火を受け継ぎ、280段の石段を下りていきます。
伊福部神社境内に着いた御神火は分火され、灯篭やかがり火に点火し、火振りの本番を迎えます。火振りは、荒縄で束ねられた一抱えほどもある大きな麦わらに、分火された御神火で火をつけ、無病息災、厄よけを祈願しながら体の周りをグルグルと振り回します。
主催者側のメンバーによる模擬演技に続き、一般来場者(もちろん子ども)の参加も可能で、以下に何人かの火振りの様子をお届けします。
因みに、火振りの最中は和太鼓演奏が響き渡り、火と太鼓の祭典はクライマックスを迎えます。
最後に、火振り用の麦は地元の方が1年かけて栽培されており、また和太鼓も巫女の舞も地元の皆さんが継承されて、愛宕の火祭りが維持されていることに敬意を表します。ぜひ多くの方に見ていただき、圧倒的な感動体験をしてもらいたいと思います。