みなさん、こんにちは。
「たじま未来づくり講座」の現地講座に参加してきましたので、その様子をお届けします。
特別天然記念物に指定されている、絶滅危惧種のオオサンショウウオ。
実は、朝来市生野町黒川にオオサンショウウオの調査研究施設があるんです。
今回は施設見学をしてその生態を学び、自然豊かな黒川集落を散策してきました。
まずは、オオサンショウウオの調査研究施設「ハンザキ研究所」を特別に見学させていただきました。
市川の源流域に位置する黒川地域はオオサンショウウオの生息地として知られており、研究にもってこいの場所です。
旧黒川小学校跡が研究施設として再利用されています。
NPO法人日本ハンザキ研究所の岡田理事長からお話をお聞きしました。
オオサンショウウオの色々なことを教えてもらいましたので、<豆知識>という形で順次紹介していきますね。
<豆知識①>
オオサンショウウオは世界最大級の両生類で、ここ黒川地域で1700の個体を登録し、追跡調査を行っています。
玄関から入ったところに標本がありました。なんと126cmの大きさです。
<豆知識②>
餌は、カエル・魚・サワガニ・虫・ヘビ・モグラなど、動くものは反射的に何でも食べるそうです。 川に流れてきたレジ袋を食べてしまうこともあるそうなので、ゴミを捨てないようにしないといけませんね。
幼生の標本もありました。
<豆知識③>
メスは卵を産むとどこかに行き、孵化するまでオスが卵を守ります。
こちらは幼生を飼育されています。小さくてかわいいです。
<豆知識④>
オオサンショウウオの前足の指は4本、後ろ足の指は5本です。
小学校のプールだった場所を活用して、河川工事などで保護したオオサンショウウオを一時的に飼育されています。
<豆知識⑤>
オオサンショウウオは特別天然記念物に指定されているので、むやみに触ったり移動させたりすることは法律で禁止されています。
夜行性なので昼間は岩の下などに隠れているのですが、今回は特別に出してもらいました。
こんなに間近で見たのは初めてでビックリ!とても大きいです。
<豆知識⑥>
オオサンショウウオはカミソリのような歯なので、嚙まれると大けがをします。動くものに反応するので、口の前に手を出すと危険です。
この研究所を立ち上げられ、オオサンショウウオ研究の第一人者として活動されてきた栃本武良所長。令和元年に亡くなられたのですが、栃本先生を追悼する一角があり、写真や書籍など色々なアイテムが展示されています。
栃本先生はオオサンショウウオの研究に情熱を傾けられ、多くの研究者に慕われていたそうです。
<豆知識⑦>
朝来市は近年「オオサンショウウオの棲むまち朝来市」というキャッチフレーズで、人と自然とが共生するまちづくりを推進しています。今年6月には日本オオサンショウウオの会・朝来大会が開催されたところです。
Tシャツや色々なグッズが販売されています。オオサンショウウオの調査研究のために、グッズを買って応援しましょう。
NPO法人 日本ハンザキ研究所
朝来市生野町黒川292番地
mail:info@hanzaki.net
ホームページ:日本ハンザキ研究所
続いては、黒川ダムにやってきました。
ダム付近は霧雨で、神秘的な雰囲気でした。
この黒川ダムは正式名称を「奥多々良木発電所」と言い、6基の発電機を備えた国内最大級の揚水発電所です。
少し離れたところにある多々良木ダムと接続していて、2つのダムの落差(約400m弱)を利用した水力による発電をしています。
電力に余裕のある夜間に電気を使って水を黒川ダムまでくみ上げ、昼間にその水を多々良木ダムに落として発電する仕組みです。
堤体の上から黒川の集落が一望できます。
黒川ダムはロックフィルダムという型式で、堤体は岩石を積み上げて作られたダムです。
集落側から見た写真ですが、とてもかっこいいです。
続いて、黒川の集落を散策します。
大明寺は月庵宗光が開いたと言われるお寺です。
写真は開山堂で、りっぱな萱葺き屋根でした。
こちらは本堂です。
屋根に葵の御紋が掲げられていて、急勾配で迫力のある屋根でした。
一日一組限定の一棟貸しの農家民宿です。
なんと築100年だそうです。
とても懐かしく、心地よい感じです。
田舎のおばあちゃんの家みたいで、ゆっくりとくつろげそうです。
食事は自炊になるのですが、調理器具や食器は揃っています。
食材を買い込んで、みんなで鍋なんかいいですね(^^♪
夏には庭でBBQもできます!
川沿いの遊歩道を歩きます。河川改修されていない自然のままの川です。
オオサンショウウオもいるらしいですよ。
写真はありませんが、美人の湯と言われる秘湯「黒川温泉」、沖縄料理 とスイーツの「そらしーど」、川魚・山菜料理と温泉のお宿「やまびこ山荘」など楽しめるスポットもあります。
みなさん、一度黒川まで足を運んでみてください。
河川工事等は人の命や暮らしを守るために必要ですが、オオサンショウウオなどの生き物が人間と一緒に生きることができるよう、自然環境を大切にしながら共存していくことも大事です。
人と自然が共生し、このすばらしい自然環境や黒川の風景などを守り、繋いでいく。それが、この講座の名称でもある「地域の未来づくり」になるのだなと感じました。