兵庫県養父市に新たな文化会館「やぶ市民交流広場」が9月14日にオープンしました。
ホール、公民館、図書館、公園などがあり、みんなが集まるまちづくりの拠点を目指しているということなので、早速現地を訪れてみました。
駐車場に車を止め散策をはじめると、養父市初の図書館があります。
正面に花壇が整備され、来場者を歓迎しているようです。
広々とした図書館内にはベンチなどがあり、ゆっくりと読書を楽しめそうです。
約4万冊が収容可能だそうです。
ホールは、音響性能に優れた設計で、席数は651席あるそうです。
芝生広場に面したところにはラウンジがあり、天井が高く、窓が大きいので、とても開放感があります。
ホール棟(左)と図書館棟(右)の間に通り抜けの空間(小径)が設けられ、山側と川側を行き来できるようになっています。
山側に歩いて行くと旧グンゼ棟や立誠舎などの歴史的に貴重な建物を見ることができます。
小径を通り抜けると、旧グンゼ八鹿工場の建物をリニューアルした旧グンゼ棟が見えてきます。
1928年(昭和3)に建設されたもので、上げ下げ窓は、昭和初期の流行を取り入れたモダンな様式だそうです。
1階は自由に利用でき、軽食の販売も始まるそうです。
やぶ市民交流広場の山側の旧街道沿いには、うだつのある家を見ることができます。
明治から昭和にかけて、この地域では、生糸取引が盛んで、通りにはうだつの上がった商家が数多く建てられたそうです。
数は少なくなったものの、今でもうだつのある家を見ることができます。
旧グンゼ棟から山側に少し歩くと小高い所に立誠舎があります。
立誠舎は、但馬地方に現存する最も古い学校建築で、池田草庵が開いた漢学塾だそうです。
立誠舎の屋根には八鹿焼の瓦が使われています。
明治から大正にかけてつくられた八鹿焼ですが、1929年(昭和4)に窯を閉じたことから、今では幻の瓦です。
やぶ市民交流広場の南側には八木川が流れています。
八鹿地区は製糸業で栄えた町並みに八木川と山が近接していることから、四季折々の趣を味わうことができます。
ほっと落ち着きを感じさせる景観だということで、2004年(平成16)、八鹿地区は兵庫県景観形成条例の歴史的景観形成地区(現在は養父市指定へ移行)に指定されました。
八木川の河川敷は河川公園として整備されているので、散策することができます。
河川敷に下りてみると、普段歩道を歩いている時には聞こえない川の音が聞こえてきます。
川の音を聴きながらのんびりとした時間を過ごすことができます。
今回訪れた八鹿地域には、新たに誕生した交流の拠点「やぶ市民交流広場」を中心にして、北側には「大正ロマンの漂う町」と呼ばれた歴史的に貴重な建物があり、南側には自然に触れることのできる八木川が流れており、見どころの多いエリアになっています。
学校帰りや仕事帰りにふらっと立ち寄り、一日の疲れを癒やしてはいかがでしょうか。
今では見ることができませんが、やぶ市民交流広場の建設中、建設現場を華やかにするために八木川沿いに様々な花が描かれたブロック塀がありました。
地元の子どもたちはじめ約300人が参加して描いたもので、「未来に咲く花」と名付けられていました。
懐かしい1枚です。