すべてのはじまりは「志賀直哉」~城崎温泉文学碑巡り~
東京で電車にはねられ、養生のために城崎に来た志賀直哉。
滞在中の体験と心境を小説にしたのが有名な「城の崎にて」。
はじまりは城崎文芸館展示の志賀直哉からです。
城崎文芸館前に国内唯一の「自筆」署名の志賀直哉文学碑があります。
バランスを意識して「哉」の字の「ノ」がない字体で署名したのが
自筆の証(あかし)とか。
城崎案内人のガイドで文学碑巡りスタートです。
地蔵湯前にユニークな5本の柱状詩碑があります。
眼を凝らしてみると…。
「雪の城の崎 あの子の髪に 溶ける淡雪 わがこころ」白鳥省吾
昭和の初めの頃、蟹を売る漁師の妻の情景を詠ったとか。
一の湯横に与謝野寛・晶子夫妻の自筆歌碑があります。
「ひと夜のみねて城の崎の湯の香りにも清くほのかに染むこころかな」寛
「日没を円山川に見てもなほ夜明めきたり城の崎くれば」晶子
昭和5年、山陰地方を旅し城崎に宿をとった時の句とか。
当時失意の夫を励まし支える心持ちがうかがえる句のようです。
そして、今は東京オリンピックが始まろうとする7月上旬。
ドイツ・スイス代表ボートチームの事前合宿を歓迎するのれん・のぼりが
温泉街のいたるところではためいています。
午後は城崎温泉ロープウェイで大師山山頂へ。
梅雨の晴れ間に遭遇し、展望台から温泉街・円山川を眺望。
2024年度に完成予定の「城崎大橋」の架け替え工事も遠望できました。
ロープウエイを途中下車して末代山温泉寺へ。
33年ぶり特別ご開帳中の「秘仏本尊十一面観音立像」を拝顔。僥倖!
コロナ禍のため、令和3年4月23日までのところを10月末日まで
延長とのこと。幸運でした。