三川蔵王大権現(三川山弥勒寺)は、1300有余年前に修験道の開祖である役行者に依って開創された古霊場です。御本尊は和州吉野山(吉野・大峯),伯州三徳山と共に蔵王権現の日本三山一つに数えられています。
修験道とは山に篭って修行を行うことにより悟りを開くという日本古来の山岳信仰と、外来の仏教などが結びついた宗教の事を言いい。役行者とは7世紀後半の山岳修行者。本名は役小角(えんのおづね)。役優婆塞(えんのうばそく)ともいう。修験道(しゅげんどう)の開祖として崇拝され、江戸末期には神変大菩薩(じんぺんだいぼさつ)の諡号(しごう)を勅賜された。吉野金峰山(きんぶせん)や大峰山(おおみねさん)、その他多くの山を開いたとされています。
こちらの三川蔵王大権現の歴史は長く1300有余年の間には多くの災難があったとされています。今から約500年前に当たる天文7年には落雷により奥の院を除く伽藍を悉く焼失。また約190年前に当たる天保3年には土石流によって境内の蔵王堂、伽藍諸堂等を流失しています。
その後の再興に至っては明治維新の廃仏毀釈の暴挙により流失以前の状態に戻すことはできなかったとされているが幾多の困難を乗り越え現在もこの地に権現様は鎮座されています。
現在の境内には「とげぬき大師」「ぽっくり尊(さん)」「奥の院御分身尊」がお祀りしてあり、さらには「日本百八十八ヶ所のお砂踏み」がありこちらで全国の観音霊場百八十八ヶ寺を巡る事ができます。澄んだ空気が心を癒してくれるそんな素晴らしい場所でございます。
また、毎年5月3日に大祭が行われ多くの参拝客が訪れます。