10月31日、但馬ふるさとづくり大学地域づくり現地講座が新温泉町の諸寄地区で開催されました。
今回は、当日行われた講座の中から現地散策の様子をお届けします。
スタート地点は、「諸寄基幹集落センター」です。
諸寄基幹集落センター2階の資料室には、郷土の先人や廻船などに関する資料が展示されています。
諸寄基幹集落センターの前には、前田純孝と与謝野寛並刻歌碑があります。
前田純孝は諸寄の出身で、「東の啄木、西の翠渓(純孝の号)」と並び称された明治末期の歌人です。
また、かつて新詩社で活動を共にした与謝野寛は、歌碑に刻まれた歌を献じ前田純孝を追悼しています。
篠原無然は、諸寄の出身で、大正時代に奥飛騨の平湯に赴任し、青少年の育成や女工救済活動など、平湯の発展と教育に尽力したことで「飛騨聖人」と呼ばれた社会教育者です。
八坂神社社務所には、北前船の船主が航海安全を願って奉納した船絵馬が保存されています。
諸寄基幹集落センターには船絵馬のレプリカが展示されていますが、本日は本物を見ることができました。
諸寄港は、江戸時代に北前船の風待ち港として栄えた港です。
船絵馬は北前船の船主や船乗りが航海安全を祈願して為世永神社に奉納したものです。
日本遺産の構成文化財になっており、八坂神社社務所には5枚の船絵馬が保管されています。
北前船で財をなした廻船問屋・道盛家の邸宅で、日本遺産の構成文化財になっています。(非公開)
北前船で財をなした廻船問屋・東藤田家の邸宅で、日本遺産の構成文化財になっています。
現在は築約130年の母屋を改装し、宿泊や休憩ができるゲストハウス東藤田邸として開業されています。
為世永神社は、北前船の船主や船乗りたちが航海の安全を祈願した神社で、日本遺産の構成文化財になっています。
急な112段の石段を上ると、全国の船主や廻船問屋が寄進した玉垣や灯籠・狛犬がありますが、今日は時間の都合などで上まで行くことができませんでした。
階段を登ってみたい方はこちら
2020.8.20投稿 日本遺産・北前船の「風待ち港」で注目を集める諸寄を歩く
北前船で財をなした廻船問屋「網干屋・中藤田家」の邸宅で、日本遺産の構成文化財になっています。(非公開)
日本画家・藤田威の生家でもあります。
谷角日沙春は諸寄の出身で、直線や三角形を使った構成的作風により日本画に独自の境地を切り開いた画家です。
諸寄では、明治から大正にかけて、全国的に活躍した教育者や歌人、日本画家などを輩出しており、まちのあちらこちらで顕彰する石碑を見ることができます。
花崗岩質を含む砂浜は、「雪の白浜」と称され、古くは西行法師の歌にも登場しています。
「見渡せば 沖に絹巻 千歳松 波諸寄に雪の白浜」
諸寄活性化委員会の方の案内で、60分くらいの散策でした。
諸寄地区では、先人を顕彰する石碑が数多く設置され、北前船に関する文化財などが大切に残されていました。
地域をあげて歴史と文化を守るまちづくりに取り組まれていることを知ることができました。
諸寄活性化委員会の皆様、ありがとうございました。
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