7月中旬に播種したものが、真夏に芽を出し黄色い花をつけます。秋とともに実が大きく育ち、葉が枯れてくる11月に収穫期を迎えます
収穫方法は「小豆引き」といって刈り取るのではなく、根こそぎ引き抜き、結束して稲を干した後の稲木に掛けて乾燥させていましたが、稲木を立てなくなったいまは引き抜いたあと、実をぼじいて(採るの但馬弁)筵(むしろ)に拡げて乾燥させます。
11月に入ると家の軒先のあちこちの日だまりに小豆干し風景が見られ、但馬の晩秋の風物詩の一つに数えられます。立冬を過ぎると冬型気候が周期的に訪れ、晴れていたと思えば雨になったりして小豆干しも油断ができません。莢のまましっかり乾燥させて叩いて実を取り出し、箕を使ってゴミを選り分けた後、また乾燥させ、夜なべで選別を繰りかえし出来上がりです。小豆の種類は丹波市春日町を発祥の地とする「大納言」、赤飯に使ったり、お正月の餡(あん)餅に利用し、選りすぐりのものを翌年の種として保存します。