コミミズク

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2017年01月13日 13時27分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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円山川河川敷で、2シーズンぶりにコミミズクを観察することができました。年末の夕刻、ヤナギの枝に止まる大きめの鳥を遠くから目撃して、逆光のシルエットでフクロウだと思いました。識別可能な距離まで寄ってみて、それはフクロウではなく、このあたりで冬鳥のコミミズクだと分かりました。

コミミズクは黄色い虹彩が魅惑的で、白い毛で縁どられた丸い顔面が可愛らしいです。


日が落ちると、河川敷の上を活発に飛び回るようになります。獲物は野ネズミ。かつて、コミミズクのねぐら入りの場所を特定し、そこに落ちていた無数のペリット(未消化物の吐き戻し物)を回収して餌生物を調べたことがあります。出て来た頭骨から、餌はハタネズミであることが分かりました。


暗くなるにつれ、1羽だったコミミズクが2羽になり、この時の観察時には3羽のコミミズクが活発に動き出しました。

但馬で冬の河原を餌場にするフクロウ科はフクロウ、コミミズク、トラフズクの3種類がいます。河原のネズミは、日中はノスリなどのワシタカに狙われ、夜はフクロウの仲間に狙われます。つまり24時間、野ネズミは絶えず命を狙われ続けており、たくさんの野ネズミが住んでいないと、その上位にいる鳥たちも暮らしてゆけないのです。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

ハカワラタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2017年01月02日 12時55分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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ハカワラタケ   ヒダナシタケ目 タコウキン科 シハイタケ属 
        (Trichaptum biforme)




小さなサルノコシカケで、枯木倒木に折り重なるように発生し、白腐れで枯木を分解していく。




普通にみられるが食用に適さずほとんど顧みられないシハイタケ属というキノコのグループの一種。シハイタケ、ウスバシハイタケ、ハカワラタケ、シロハカワラタケの4種が分類されているが、これらは非常によく似ており、特にハカワラタケとシロハカワラタケは同種と見る説が強い。



ハカワラタケは若い時には紫色が出て美しい。




老熟しても簡単には腐らないので紫が消えて干からびたように折り重ねって倒木に付着しているのを見かける機会のほうが多い。




ハカワラタケとシロハカワラタケが同じ倒木から発生している。





ヒダナシタケ目だからヒダはない。管孔面はヒダナシタケ目に多い穴状ではなく、歯牙状、薄歯状になっている。




ハカワラタケ、シロハカワラタケは広葉樹の倒木、古木に発生する。北半球で普通種。
 和名ハカワラタケの漢字表記は歯瓦茸?

ウラジロ お正月によく見ます

執筆 菅村定昌   掲載 2016年12月22日 22時37分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

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ウラジロ ウラジロ科



 ウラジロは、これから目にする機会が非常に多いシダです。といっても山の中とは限りません。鏡餅の下に敷かれたり、しめ縄に使われたりするのをよく見ると思います。あのシダがウラジロです。



 飾り物に使われるのには諸説あります。
 曰く、
「葉の裏が白いところから、こころは白いとか清浄を表す」
「裏の白いところから、白髪を連想して長寿を表す」
「葉が代を重ねて伸びて、しだれるところから、長寿を表す」
 まあ、とにかく縁起がよいということのようです。



 ウラジロは常緑のシダです。低木がまばらに生えるようなところに生えるので葉が落ちる冬にはよく目立ちます。乾燥した斜面で大型のシダがあって裏が粉がついたように白ければまずこのウラジロと思って間違いないでしょう。大群落ができているところもあります。


ウラジロの裏面


葉(正しくは羽片)は、二つに分かれて、そこから新しい芽が出る。

 ただし、同じような場所にやはり同じように裏が白いシダが生えます。コシダです。このシダはウラジロと同じように葉が二岐に分かれるところも似ていますが、写真で分かるように全体が五角形のような形に見えます。


コシダの裏面


コシダの表面
 コシダの方がより乾燥した場所に多いようです。
 
 自然界には、非常に多くあるシダなので栽培は容易なのかと思っていたらかなり難しいのだそうです。造成された斜面にありふれているのですっかり誤解していました。自然というのはなかなか思い通りにはいかない手強いものだなのだと思います。


川虫トビケラの成虫

執筆 上田尚志   掲載 2016年12月21日 10時49分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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コウノトリ文化館のデッキにホタルトビケラの成虫がいました。幼虫は河川上流域の流れの緩い場所に棲み、砂でミノムシのような巣をつくります。成虫は秋に出現します。ここにはババホタルトビケラの生息記録もありますが、大きさからホタルトビケラとしました。ババホタルトビケラは東日本の平地に多く生息する種で、兵庫県ではコウノトリの郷公園でのみ見つかっています。




これはヨツメトビケラ。コウノトリ文化館の上にあるビオトープの横を流れる溝で見つかります。こちらは春に出現し、あちこちの渓流でたくさん飛翔するのが見られます。幼虫は同じような砂の巣をつくります。





ムラサキトビケラは大きく目だつ種類です。これも、文化館のデッキで発見。落ち葉で巣をつくり、里山の緩やかな流れに住みます。

川の中の石をめくると、小さな虫が這いまわります。これはカゲロウとカワゲラの幼虫。トビケラと合わせて代表的な川虫で、淡水魚の餌としても重要です。川に多様な環境があると、川虫も種類と量が多くなります。


               写真(ホタルトビケラ)高橋信  
               写真(ヨツメトビケラ・ムラサキトビケラ)・文 上田尚志

オオハクチョウ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2016年12月13日 10時40分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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今年の10月22日に、久美浜湾内で1羽のオオハクチョウを見つけました。羽が灰色の幼鳥です。おそらく、渡りの途中、親鳥とはぐれてしまったのでしょう。ときどき空を見上げてコーコーと寂しげに声を上げており、西の越冬地に向かう他の渡り鳥と合流できるよう願いました。


2日後の10月24日のことです。自宅近くの六方川の橋にさしかかったとき、なんと、真下にオオハクチョウ幼鳥がいるではありませんか。久美浜湾で出会ったのと同じである確証はありませんが、直線距離で13Kmしか離れておらず、状況からしても同一個体が飛んできたものと考えました。


六方川には越冬コハクチョウが時々入りますが、オオハクチョウが入ったのは私は初めて見ます。幼鳥とはいいながら、圧倒的に大きな存在感の水鳥です。同じ場所で、一日中、草をむしって食べていました。


夕方には水面に浮かんでまったり過ごしていましたが、翌朝以降、豊岡盆地内でこのオオハクチョウを見かけることはありませんでした。


1ヶ月後の11月21日、久美浜湾沿いの堪水田でオオハクチョウ成鳥2羽の飛来を確認しました。継続観察で、この2羽はここで越冬しそうな気配をみせています。

かつての久美浜湾はオオハクチョウの越冬飛来地として名が知られていましたが、近年はぱったりと来なくなっていました。今回、幼鳥1羽に続いて成鳥2羽が飛来し、オオハクチョウの久美浜湾での越冬も再び定着するかもしれません。

久美浜湾から近い豊岡盆地でも、コハクチョウに次いでオオハクチョウが越冬する可能性も将来的には考えられます。ラムサール条約湿地の円山川下流域が、さらに多様な生物生息環境になってゆけばよいですね。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

アシナガタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2016年12月03日 14時18分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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アシナガタケ    ハラタケ目 キシメジ科 クヌギタケ属 
脚長茸        (Mycena polygramma )
アシナガタケ。広葉樹林の落葉、落枝などから秋に発生。写真のものは、豊岡市内の自宅庭で発生したもの。


傘は幼菌時は卵型で徐々に開き円錐形から中央部が突出する。











カサの径は2僂曚鼻
柄は5〜10センチ程度になり、弱弱しく地味ながらも森の妖精感がある。




ごく近縁種にニオイアシナガタケがあるが、こちらはヨードチンキの臭いがするという。そのような臭いはしないのでアシナガタケとした。

また、アシナガタケの特徴としては柄に縦線がみられることである。明確なものではないが、かろうじて縦線が確認できた。




普通種。無毒であるが食用の価値はない。

越冬前のテントウムシ

執筆 上田尚志   掲載 2016年11月29日 10時23分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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山が紅葉に染まるころ、たくさんのテントウムシが、日当たりのよい岩肌に集まっていることがあります。ここは11月の阿瀬渓谷、見渡す限り、テントウムシだらけです。どこにこんなにいたのかと思うぐらいの数です。テントウムシは成虫で岩の隙間や樹皮の隙間などで越冬します。暖かそうな良い場所を探して集まってくるのかもしれません。



何種類かのテントウムシが混じっているようですが、ここでは2種類が見られました。



いろいろな種類のテントウムシに見えますが、画面は1種類、ナミテントウ(単にテントウムシともいう)です。ナミテントウの斑紋には変異がありまるで別種のように見えます。



中に少し大きなテントウムシがいます。カメノコテントウです。クルミハムシの幼虫を捕食します。但馬の渓谷にはオニグルミがたくさんあるので、カメノコテントウも良く見かけます。

ホラシノブ 赤く染まってきました

執筆 菅村定昌   掲載 2016年11月23日 22時04分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

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ホラシノブ ホングウシダ科



 紅葉が進み、植物観察は、冬芽などマニアックな分野になってきています。そんな中で常緑のシダの仲間は枯れ草の中で目立ちます。シダを避けて通っていた私としてもちょっと見てみようかなという気になります。



 ホラシノブは、五荘小学校に多いシダです。五荘小学校は、山を切り開いて作られた学校です。造成時に山を削った時にできたむき出しの斜面が至る所に見られます。その斜面がホラシノブの生育に適しているようです。ホラシノブは日当たりのよい斜面に多いようです。五荘小学校では、ホラシノブは乾燥地に多く見られるウラジロやコシダなどのシダやシシガシラに混じって生えています。





 ホラシノブは群生します。細かに切れ込んだ葉がかたまって見えるのは美しいものです。秋も深まってくるとホラシノブは紅葉します。周りの木々が紅葉し葉を散らす中でホラシノブも薄赤に色が変わってきました。これも美しいものです。日当たりがよい場所だとさらに赤くなるようです。楽しみです。


 シダ初心者の私は、夏前から葉の表も裏も、茎も根っこも何度も見て、図鑑の文書を読んで、写真や図と見比べました。秋が深まり、葉の裏の端にある胞子嚢群が大きくなって、苞膜がポケット状になり、葉が赤く染まってきて、・・・ようやく、ホラシノブに違いないのではと思えるようになりました。








シラガホオジロ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2016年11月09日 11時30分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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仲間が六方田んぼで見つけたこの鳥はシラガホオジロといいます。ホオジロ科の鳥で、ロシア北部で繁殖し、冬は中国北東部に渡って過ごすようです。日本では時々迷行個体が観察されるだけの、とても珍しい鳥です。英名はPine Bunting。


冬羽の本個体では顕著ではありませんが、夏羽では名前の由来となった白い頭央線が目立つと図鑑には示されています。初めて見る鳥で、おそらく但馬エリアでも初確認種ではないかと思います。


前から見ると、喉の周りまでこげ茶色のマスクをしているように見えます。普通のホオジロは喉が白いので、違いがよく分かります。

六方田んぼでは2・3日間過ごした様子。刈田の落穂を食べ、電線に上がって休むという行動を繰り返していました。

豊岡を旅立った後は、どこに飛んで行くのでしょう。新しい立ち寄り先で、また野鳥観察の人たちにサプライズを与えることでしょう。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

カノシタ

執筆 稲葉一明   掲載 2016年11月03日 12時08分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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カノシタ    ヒダナシタケ目 カノシタ科 カノシタ属 
鹿舌        (Hydnum repandum)




カノシタ、優秀な食菌であるが毒成分を含んでいることが分かり、最近の図鑑では毒キノコとして扱われている。広葉樹林、針葉樹林、雑木林、広く発生する。




肉質はもろく砕けやすいが、火を通すとしっかりしと充実し、独特の歯触りは表現が難しいが、私個人の評価としては一級品である。バター炒めやシチューなどに入れると、お肉を食べているような感じになる。欧米ではシチューやオムレツなどに入れる食用キノコとしてpied du mouton(羊の足)の愛称で一級の食材とされている。


ヒダナシタケ目、つまり広い意味でサルノコシカケの仲間である。傘の裏側にヒダはなく、針状の突起が無数に垂下している。




幼菌時は饅頭型、成長してカサが開き、成熟するとフチが不規則にゆがんだ形となる。カサの色は肌色〜黄色〜淡橙色と広い。




ほとんど白から薄肌色の近縁種にシロカノシタがあるが、食菌としてはほとんど同じ扱いでよいと思う。




シロを作り毎年採取でき結構多収が見込め、独特の食感は魅力であり、わずかに毒成分を含んでいるとのことであるものの優秀な食菌といえる。




今秋、豊岡市内のとあるキャンプ場のすぐ横で、大きなシロを見つけた。キャンパーは誰も知らないのであろう、見向きもされていないようだ。

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