ヤマフジ

執筆 菅村定昌   掲載 2016年05月26日 22時08分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

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ヤマフジ マメ科


ヤマフジ 大杉峠

 山にあるからヤマフジ、藤棚にあるからフジというわけではありません。山にあっても多くはフジです。藤棚のフジも台木はヤマフジです。


ヤマフジ 花穂は短くて10〜15cm。花は同時に咲く。花は横を向いて咲く。



フジ 花穂は長くて20〜50cm。花は基部から順に咲く。花は正面を向いて咲く。

 但馬のヤマフジはなかなか興味深い生え方をしています。例えば、豊岡市日高町と香美町村岡区の間には蘇武トンネルという長いトンネルがあります。このトンネルの日高側にはフジが、村岡区側にはヤマフジが見事にすみ分けています。養父市関宮町の鉢伏高原ではフジですが、隣の村岡区のハチ北高原に行くとヤマフジが見られます。養父市大屋町では、大杉峠はヤマフジですが、峠を下るとフジが圧倒的です。詳しく調べるときっちりと線が引けそうです。


ヤマフジ 花の房が短いので運転しながらでもヤマフジと分かる。


フジ

 ヤマフジの分布は昔から調べられていて、兵庫県では、「兵庫県では円山川と市川が分布の東限で、これらを結ぶ地域から東側では、自生は知られていない。」兵庫県大百科事典1983、「加古川が分布の境界と思われる」『兵庫県の植物誌』1995、「市川・朝来川流域以西にしか分布しない」『人と自然』「兵庫県産維管束植物」1999、などと言われています。これはよほどお気に入りの内容なようで兵庫県の環境白書には毎年「ヤマフジは九州、四国と中国地方にあり、姫路市の市川より東の地域にはありません。」2016 と書かれています。分布の東限なのですから特記したくなる気持ちはよく分かります。


赤○;市川の源流と河口 紫○;加古川の源流と河口 オレンジ○;円山川の源流と河口
緑○;ヤマフジが普通にたくさんあるところ。

 ところで、京都府レッドデータブック2002 には、「兵庫県以西の西日本に分布域をもつとされ、京都府では1996年になって北部地域で記録された(村田・津軽, 1998b)。」とあります。京都府レッドデータブック2015では、「府内の分布記録区域 丹後地域、中丹地域。とくに減少しているわけではないが、学術的価値の高さを重視してランクを上げた。中丹は白花、丹後は薄紫の花。」とあります。


ヤマフジ 小葉は4〜6対。


フジ 小葉は5〜9対。

 『樹に咲く花』2000、には、「本州(近畿地方以西、中部地方にまれにある)、四国、九州」とあります。


ヤマフジ 葉の表裏に毛がある。特に裏面には絨毛が密生する。


フジ ほとんど無毛。この写真は春先なので毛が残っている。やがて脱落する。


少し慣れれば花の時期は、一目でヤマフジと分かります。花がなくても葉を見れば間違えません。探してみて下さい。

アカガシラサギ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2016年05月23日 22時26分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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秋の渡り時期に、稀に豊岡盆地に迷い込んで観察される小型のアカガシラサギ。中国大陸の南北を行き来する渡り鳥なので、日本での観察例は多くないです。最近は日本での繁殖例も報告されており、今後は観察頻度が増えてくるかもしれません。

秋のアカガシラサギは非繁殖羽に換わっていて、名前の由来である「赤頭」目撃するチャンスがこれまでありませんでした。


この春、ようやくその「赤頭」を見ることができました。繁殖羽の、美しいアカガシラサギです。コサギより小さく、写真で見るイメージ以上に小さなサギでした。

田植え前の湛水田に入ったのを、偶然通りかかった鳥仲間が見つけて教えてくれました。突然水が入って、土の中でのんびりしていたカエル、ミミズ、ケラなどの生きものを次々に捕まえてゆきます。


縮めていた首を伸ばすと、突然大きな鳥になったようです。首の回りに赤い羽があり、後頭部には同じ色の冠羽があります。繁殖期の鳥の多くがこのよう美しい飾り羽根を持ち、美しい声で囀ります。


アカガシラサギは警戒心のあまり強くない鳥で、撮影のために身を晒していても遠くに飛び去ることはありませんでした。数日間、同じエリアに留まり、その間に始まった代掻きのトラクターに付いて回って、効率的に餌を採っていました。この行動は、他のサギでも同じように見られます。


翼を広げると、この鳥がサギの仲間であることがよく理解されます。頭と背中の羽根以外は真っ白です。アカガシラサギは飛翔姿も、とても優雅で美しい鳥でした。

但馬でもなかなか目撃することのなかった、繁殖羽のアカガシラサギ。豊岡の田んぼでたっぷり栄養をつけて、次の中継地へと飛び去って行きました。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

ツリガネタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2016年05月07日 16時36分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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ツリガネタケ   ヒダナシタケ目 タコウキン科 ツリガネタケ属
釣鐘茸           (Fomes fomentarius)




サルノコシカケの仲間。しかし名前の通り釣り鐘型になるのでサルが腰かけるには具合が悪そうである。小型で群生するタイプと大型で単生することが多いタイプがあり、両者を別種とすべきかどうかの議論があるようだ。



強靭なフェルト質で年々下方へ成長するので外見は多層構造になる。広葉樹の枯木、倒木に発生。北半球世界的に発生。




無理やりはがした痕











肉は縦に強靭な繊維でできており、年々の成長にもかかわらずほぼ一直線に繊維は伸びている。




このキノコ、昔は人間の生活で重要な役割を果たしていたらしい。学名は火口(ほくち)という意味。ヨーロッパではフェルト質の肉をほぐして、火打石で火をおこすとき、最初に火を燃上がらせるために用いられたとのこと。ためしに肉を少しちぎってライターで火をつけてみると、炎は立たないが小さな火は決して消えない。一分間に5伉度、ゆっくりと燃えていく。それを使ってタバコに火をつけることもできた。

現代のようにライターやマッチがない時代であれば、火口(ほくち)や種火の移動などなどで重宝したであろうことが想像できる。ヨーロッパの氷河で発見された約5000年前のミイラ「アイスマン」の所持品にも入っていたというから驚きである。我が国でも地方名で「ホクチタケ」と呼ばれるキノコがあるが、こちらはより一般的なシロカイメンタケやマスタケを指す場合が多いようである。

ついでに書くと、我が国のほくちは、ガマの穂やホクチアザミ、オヤマボクチなどがよく使われ、ほくちに利用できる植物などが生活に密着し、重要であったことが分かる。


イシマキガイ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2016年04月28日 22時44分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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イシマキガイ
  アマオブネガイ目 アマオブネガイ科


 イシマキガイは川の下流域の汽水〜淡水域に住んでいる巻貝です。円山川では城崎や玄武洞の辺りにたくさん住んでいます。河口から10kmほど上流の、豊岡市街地のあたりでも姿を見ます。但馬の大きな川の下流域には大抵生息しているようです。


 水中から取り出してみました。殻の大きさは1〜2センチほどです。タニシやカワニナと比べて歩くのが速いです。この写真を撮った時も、すぐに石の裏側に回り込んでしまうので、何回も石をひっくり返して撮影しました。


 岩に付いている白いつぶは、イシマキガイの卵です。孵化した幼生はとても小さく、水中に浮遊しています。海に流れ下ってプランクトン生活を送り、ある程度成長すると川の汽水域にさかのぼってきて底につき、貝の形になります。成長しながら川をさかのぼるので、上流に行くにつれて大きな個体が住んでいます。


 これは円山川の城崎付近で撮ったものです。水中の岩にたくさん付いています。


 このように水中から出ているものもいますが、水から遠く離れることはありません。川の巻貝は注目される事が少ないようですが、下流域の川岸を歩く機会があれば、イシマキガイが住んでいるか探してみてはいかがでしょう。

  写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣 和也

カタクリ 2カ所目の植生保護柵設置

執筆 菅村定昌   掲載 2016年04月24日 21時27分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

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カタクリの保護に向けて


2003年 香美町

 カタクリは、中部地方以北に多く、兵庫県では但馬に多いと思われがちですが、近年まで香美町の1カ所でしか知られていませんでした。


2016年 豊岡市

 昔に見たことがあるという情報を得て、何カ所か調べに行きましたが、見つけることができませんでした。そんな中で朝来市の1カ所で確認され、そこは植生保護柵で保護されています。そして、今年、豊岡市の1カ所で確認されました。こんなところに残っていたのかと思うような人家近くの裏山でした。そこに残っているのなら各地に残っている可能性は高いです。


2009年 香美町 この年はなかなか見事に咲きそろった。

 香美町の自生地は、山全体に何カ所も自生があり非常に規模の大きなところもあります。最大の群生地で2002年に大規模な盗掘が起きて、将来が心配されましたが、その後個体数が増えて我々を安心させてくれました。

 それが、2013年くらいからニホンジカによる自然植生への食害が顕著になり、カタクリへも悪影響が見られるようになりました。


2012年 香美町 植生被害前年。


2016年 香美町 上の写真と全く同じ場所 兵庫県で3カ所しか知られていないヒメバライチゴ。

2015年には、林床の草本がほぼ失われましたが、その中でカタクリは比較的よく残っていました。いろいろな方々のご協力のおかげでここで植生保護柵が設置され始めました。まずは生育地の入り口付近に2カ所です。


2016年 香美町 今年は4株開花した。


2016年 香美町 今年は2株開花した。


2016年 香美町 心配なのは、網にシカが絡まること。巡回してメンテナンスする必要がある。

 カタクリの生育地は、他の植物がほとんど生えません。ここは自然の力で裸地が維持されています。急傾斜にたくさんの雪が流れることで地表を削られて自然と裸地ができるのです。こんなところに植生保護柵を作るのですから大変です。雪が降ると柵が壊れてしまいます。なので雪の降る前に柵の網を降ろし、反対に雪が溶けると網を上げないといけません。


2016年 香美町 こんな急傾斜に生育する。

 香美町のカタクリは標高の高い中核部分について植生保護柵が設置できないか検討をしています。


2016年 香美町 低木が密生しているところにかろうじて残っている。


2016年 香美町 シカの口が届かないところに残る。


2016年 香美町


2016年 香美町 ニリンソウ、キクザキイチゲ、こちらの方がはるかに少ない。これらも一緒に守れないと意味がない。

 豊岡市で新たに発見されたカタクリについても兵庫県但馬県民局環境課に情報提供し、植生保護柵設置に向けて検討をしています。

北へ帰る冬鳥たち

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2016年04月12日 20時52分   カテゴリ たじまのしぜん

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3月から4月にかけては、鳥たちの大移動の季節です。但馬地方で冬を越した鳥たちは、故郷へ向かって北へ北へと向かって飛び去って行きます。もっと南や西で越冬していた冬鳥たちも、移動の中継地として豊岡盆地を利用してゆきます。

最初の写真は、4月の田んぼでみかけたノスリです。冬の間、トビの次によく見かけた猛禽類のノスリも、本州の北の方面へと帰ってゆきます。但馬の山岳地帯でも少数が繁殖していると噂も聞きましたが、私自身は、冬以外に但馬でノスリに出会ったことがありません。


新芽がふいた河原のヤナギの梢で、ベニマシコのメスと出会いました。冬の間、河原などのブッシュの中で、小さな群れで行動をしていたアトリ科の小鳥。成鳥オスは赤い羽根が美しいのですが、今冬は近くで観察する機会がありませんでした。ちなみに、マシコは漢字で「猿子」と書き、申年の今年に似つかわしい野鳥のひとつです。


民家の庭先にもよくやってきて、プルルンと尾羽を振って愛想を振りまいてくれたジョウビタキも、旅立ちの時を迎えています。春のこの時期には、海岸でジョウビタキをたくさん見かけます。多くの渡り鳥が海岸線に沿って北へ移動してゆきます。

これからの季節、野鳥の繁殖シーズンです。それぞれの繁殖地で新しい命が生まれ、冬になるとまた彼らが但馬に戻ってくるのです。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

キヒラタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2016年04月02日 15時07分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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キヒラタケ   ハラタケ目 ヒラタケ科 キヒラタケ属
黄平茸    (Phyllotopsis nidulans)




カサの径は5〜8冂度で、広葉樹(まれに針葉樹)の倒木などに、近縁のヒラタケ同様、柄はなく折り重なるように発生している。淡黄色をしておりカサにあらい毛がびっしり生えている。ヒラタケ同様に大量収穫が期待できるが、残念ながら不快臭があり肉質強靭で食用に適さない。


さて、このキノコには特筆すべきことがある。図鑑の筆頭に記載されていることが多いのだ。原色日本新菌類図鑑(1)(保育社)、山渓カラー名鑑「日本のキノコ」(山と渓谷社)、山系フィールドブックス「キノコ」(山と渓谷社)、キノコ図鑑(家の光協会)、これらの図鑑の筆頭を飾っている。


分類的にハラタケ目ヒラタケ科から記載されていることが多く、これは、ドイツ出身アメリカ合衆国の菌類学者Rolf Singerの分類を基準にしているからのようである。「The Agaricales in Modern Taxonomy」というキノコの分類に関する書籍でキヒラタケが最初に記載されているのだろう。(現物で確認した情報ではありません)


個人的にはヒラタケを筆頭にすればいいのにと思ってしまうが、Rolf Singer博士がキヒラタケを筆頭にした理由が知りたい。




秋から冬にかけて発生。特に珍しいキノコではないようである。

クロベンケイガニ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2016年03月31日 13時29分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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クロベンケイガニ   十脚目 ベンケイガニ科


 クロベンケイガニは河川下流域の川岸や、その周辺に生息しているカニです。先月投稿したアカテガニと同じような場所に住んでいます。城崎温泉近くの川では、石垣の隙間に入っているのをよく見ます。円山川本流では立野大橋の下(河口から15km上流)でも姿を見ます。円山川下流域のヨシ原にはたくさんいるのですが、兵庫県のレッドデータではCランクに登録されています。雑食性で、植物、昆虫、動物の死がいなど色々なものを食べます。
クロベンケイガニもアカテガニと同じく、海で産卵をします。孵化したゾエア幼生は海中でプランクトン生活を送り、カニの形になると川をさかのぼります。


 田んぼの水路の中にいました。アカテガニと比べて水の中に入ることが多く、あまり水辺から遠くへは離れません。




 川岸の石の隙間に入っているところです。自分で穴を掘ることもあります。


 河川敷の草むらを歩くクロベンケイガニ。ゴツゴツとしたハサミが目立ちます。

   写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

負けないぞ、外来種に

執筆 菅村定昌   掲載 2016年03月22日 22時33分   カテゴリ たじまのしぜん

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 日本全国で、外来種が増えていて様々な問題が起きています。

 ここは、豊岡市出石町の谷山川です。但馬で最も先進的な取り組みが行われています。しかし、それでも外来種の勢いに人間は防戦一方です。


2015年8月30日
 何度も駆除をしたにもかかわらず特定外来生物のオオフサモが外来のオオアカウキクサの中から頭を出しています。


2015年8月30日
 川面を覆い尽くさんばかりにオオアカウキクサが繁茂しています。雨が降れば下流に大量に流れていきます。


2016年3月5日
 3月5日は、まだ冬の寒さが残っていましたが、オオフサモの茎が残っていました。冬を越したようです。茎が残っていると一気に増えます。


2016年3月5日
 すでに葉が広がっているオオフサモもあります。水中の藻はコカナダモです。この川の水中は全てコカナダモです。コカナダモも外来種です。


2016年3月5日
 この時期、オオアカウキクサは赤くなっています。大赤ウキクサというのが納得の色です。夏に比べると広い水面が見られます。オオフサモの方が少なく見えます。


2016年3月5日
 広く水面が広がっています。しかし、水底の泥の中には地下茎が生きています。


2015年8月30日
 すぐにこの写真のようになります。アサザという植物です。この植物は野生であれば絶滅危惧種ですが、この谷山川では駆除対象種です。誰か分かりませんが、ホームセンターでアクアリウム用に売られていたものを捨てられたようです。好適な環境のようで爆発的に増えています。このような国内のどこかからやって来たと思われる種を国内移入種と呼びます。

 一度、一人の方に3日間に渡って徹底的に抜き取ってもらいました。しかし、一月もするともとに戻ってしまいました。


2016年3月5日
 緑の濃い部分がオランダガラシです。別名をクレソンと言います。肉料理に付いている野菜です。これも外来種です。かつては谷山川の上流にしかありませんでした。それが、下水道の完備によって水質が向上したことで下流にまで広がりました。少し採ってかじってみましたがおいしかったです。


2016年3月5日
 すでにこんな状況です。

 谷山川は、環境ネット出石さんを中心に、区長会、地元地区、出石中学校、出石高校、出石ライオンズクラブなど多様な人たちが積極的に関わって美しい環境を維持されています。

 今回、環境ネット出石さんは、紹介した水の中の外来種だけでなく、陸上のオオキンケイギクも駆除されています。大変な努力のおかげでなんとか進行が止まっているというのがひいき目に見た感想です。今年は私もお手伝いをしに行きたいと思っています。みなさんも是非ともよろしくお願いします。

 それが無理な方は、自分の住む場所で害の顕著な外来生物の駆除に頑張ってみて下さい。

ヒヨドリ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2016年03月15日 10時03分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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スズメ、カラス、トビといった身近な野鳥がいますが、ヒヨドリもその一員として覚えてもらいたい鳥です。冬の間は山から里におりてきて、特に目立つ存在になります。英名で "Brown-eared Bulbul" の通り、「茶色い耳」が特徴のヒヨドリ科の代表。

晩秋の実りの季節には、柿の実を好んで食べます。冬の渡り鳥のツグミも柿の実が好物で、熟した実をヒヨドリとツグミが争うように食べるシーンをよく見かけます。


冬の間のヒヨドリの主食のひとつは、ウルシ科の実です。ハゼやヌルデなどの実は、ヒヨドリに限らず、多くの野鳥の冬の餌になります。


木の実が尽きると、ヒヨドリは農地の畑にやってきます。ハクサイなどの葉物は、ヒヨドリの恰好の餌になります。春キャベツが育つ頃には、キャベツもやられます。農家にとって、害虫の活動の弱まる冬の間でさえ、こういった野鳥や獣から作物を守らなければならない苦労があります。


3月後半、早咲きの桜が咲くとヒヨドリが蜜を吸いにやってきます。梅や椿といった早春の花には、ヒヨドリが好んで飛来します。


早春のヒヨドリのくちばしには、黄色い花粉がたくさん付いていることに気づきます。この季節、虫に代わって花粉を媒介するのは鳥です。ヒヨドリがその代表的な存在であることを知れば、自然界の営みの妙に思いを寄せるきっかになることでしょう。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

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