アシナガタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2016年12月03日 14時18分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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アシナガタケ    ハラタケ目 キシメジ科 クヌギタケ属 
脚長茸        (Mycena polygramma )
アシナガタケ。広葉樹林の落葉、落枝などから秋に発生。写真のものは、豊岡市内の自宅庭で発生したもの。


傘は幼菌時は卵型で徐々に開き円錐形から中央部が突出する。











カサの径は2僂曚鼻
柄は5〜10センチ程度になり、弱弱しく地味ながらも森の妖精感がある。




ごく近縁種にニオイアシナガタケがあるが、こちらはヨードチンキの臭いがするという。そのような臭いはしないのでアシナガタケとした。

また、アシナガタケの特徴としては柄に縦線がみられることである。明確なものではないが、かろうじて縦線が確認できた。




普通種。無毒であるが食用の価値はない。

越冬前のテントウムシ

執筆 上田尚志   掲載 2016年11月29日 10時23分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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山が紅葉に染まるころ、たくさんのテントウムシが、日当たりのよい岩肌に集まっていることがあります。ここは11月の阿瀬渓谷、見渡す限り、テントウムシだらけです。どこにこんなにいたのかと思うぐらいの数です。テントウムシは成虫で岩の隙間や樹皮の隙間などで越冬します。暖かそうな良い場所を探して集まってくるのかもしれません。



何種類かのテントウムシが混じっているようですが、ここでは2種類が見られました。



いろいろな種類のテントウムシに見えますが、画面は1種類、ナミテントウ(単にテントウムシともいう)です。ナミテントウの斑紋には変異がありまるで別種のように見えます。



中に少し大きなテントウムシがいます。カメノコテントウです。クルミハムシの幼虫を捕食します。但馬の渓谷にはオニグルミがたくさんあるので、カメノコテントウも良く見かけます。

ホラシノブ 赤く染まってきました

執筆 菅村定昌   掲載 2016年11月23日 22時04分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

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ホラシノブ ホングウシダ科



 紅葉が進み、植物観察は、冬芽などマニアックな分野になってきています。そんな中で常緑のシダの仲間は枯れ草の中で目立ちます。シダを避けて通っていた私としてもちょっと見てみようかなという気になります。



 ホラシノブは、五荘小学校に多いシダです。五荘小学校は、山を切り開いて作られた学校です。造成時に山を削った時にできたむき出しの斜面が至る所に見られます。その斜面がホラシノブの生育に適しているようです。ホラシノブは日当たりのよい斜面に多いようです。五荘小学校では、ホラシノブは乾燥地に多く見られるウラジロやコシダなどのシダやシシガシラに混じって生えています。





 ホラシノブは群生します。細かに切れ込んだ葉がかたまって見えるのは美しいものです。秋も深まってくるとホラシノブは紅葉します。周りの木々が紅葉し葉を散らす中でホラシノブも薄赤に色が変わってきました。これも美しいものです。日当たりがよい場所だとさらに赤くなるようです。楽しみです。


 シダ初心者の私は、夏前から葉の表も裏も、茎も根っこも何度も見て、図鑑の文書を読んで、写真や図と見比べました。秋が深まり、葉の裏の端にある胞子嚢群が大きくなって、苞膜がポケット状になり、葉が赤く染まってきて、・・・ようやく、ホラシノブに違いないのではと思えるようになりました。








シラガホオジロ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2016年11月09日 11時30分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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仲間が六方田んぼで見つけたこの鳥はシラガホオジロといいます。ホオジロ科の鳥で、ロシア北部で繁殖し、冬は中国北東部に渡って過ごすようです。日本では時々迷行個体が観察されるだけの、とても珍しい鳥です。英名はPine Bunting。


冬羽の本個体では顕著ではありませんが、夏羽では名前の由来となった白い頭央線が目立つと図鑑には示されています。初めて見る鳥で、おそらく但馬エリアでも初確認種ではないかと思います。


前から見ると、喉の周りまでこげ茶色のマスクをしているように見えます。普通のホオジロは喉が白いので、違いがよく分かります。

六方田んぼでは2・3日間過ごした様子。刈田の落穂を食べ、電線に上がって休むという行動を繰り返していました。

豊岡を旅立った後は、どこに飛んで行くのでしょう。新しい立ち寄り先で、また野鳥観察の人たちにサプライズを与えることでしょう。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

カノシタ

執筆 稲葉一明   掲載 2016年11月03日 12時08分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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カノシタ    ヒダナシタケ目 カノシタ科 カノシタ属 
鹿舌        (Hydnum repandum)




カノシタ、優秀な食菌であるが毒成分を含んでいることが分かり、最近の図鑑では毒キノコとして扱われている。広葉樹林、針葉樹林、雑木林、広く発生する。




肉質はもろく砕けやすいが、火を通すとしっかりしと充実し、独特の歯触りは表現が難しいが、私個人の評価としては一級品である。バター炒めやシチューなどに入れると、お肉を食べているような感じになる。欧米ではシチューやオムレツなどに入れる食用キノコとしてpied du mouton(羊の足)の愛称で一級の食材とされている。


ヒダナシタケ目、つまり広い意味でサルノコシカケの仲間である。傘の裏側にヒダはなく、針状の突起が無数に垂下している。




幼菌時は饅頭型、成長してカサが開き、成熟するとフチが不規則にゆがんだ形となる。カサの色は肌色〜黄色〜淡橙色と広い。




ほとんど白から薄肌色の近縁種にシロカノシタがあるが、食菌としてはほとんど同じ扱いでよいと思う。




シロを作り毎年採取でき結構多収が見込め、独特の食感は魅力であり、わずかに毒成分を含んでいるとのことであるものの優秀な食菌といえる。




今秋、豊岡市内のとあるキャンプ場のすぐ横で、大きなシロを見つけた。キャンパーは誰も知らないのであろう、見向きもされていないようだ。

シマイサキ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2016年10月31日 06時32分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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シマイサキ   スズキ目 シマイサキ科

 川での魚類調査などで、今年はシマイサキの幼魚を非常によく見ました。大きな川の下流域では、水面を眺めていると見つけることもあります。体の縞模様がよく目立ちます。この魚は海の内湾や川の河口など、汽水域に住んでいます。海の魚のイメージが強いと思いますが、写真のような幼魚は淡水域にも遡ってきます。豊岡盆地では出石川まで遡ってきます。


 不鮮明ですが、水中の様子です。コンクリートの護岸についている小動物らしきものを食べています。動物食性で、小さなエビやゴカイなどを食べます。この写真のように、今年はたくさん群れているのをよく見ました。


 最初の写真と、この写真は水槽飼育のものです。これは4、5センチほどの幼魚ですが、大きくなると30センチ前後まで成長します。うきぶくろを使ってグウグウと音を出すことから、「ウタウタイ」とも呼ばれています。


写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

ヤクシソウ

執筆 菅村定昌   掲載 2016年10月23日 21時53分   カテゴリ たじまのしぜん » しょくぶつ

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ヤクシソウ キク科



秋が深まってくると野山の草木も枯れてきます。花の数も少なくなって寂しくなってきます。そんな中で、ヤクシソウは花を咲かせ続けます。この時期、低地で目立つ黄色の花はセイタカアワダチソウですが、山道で目立つ黄色の花はヤクシソウです。



 ヤクシソウは、山道の日当たりのよいところに生えます。どちらかというと崩落地のような乾燥したところを好むようですが、道沿いにたくさん見られます。



 過酷な環境でも、いえ、過酷な環境ゆえか、コンクリートを吹き付けられた斜面にたくさん生えていました。頑張ってるなあと思って写真を撮りました。他の場所では、他の植物との競争に負けて数年ほどで姿を消すことがありますが、ここは条件が悪いためにかえって長く生きていけるのだろうと思います。



 春には、こんな花をつけるキク科の植物がたくさんあります。でも秋の但馬の山ならヤクシソウだけです。



 このように葉が茎を抱きます。この形を覚えておけば花のない時期でもヤクシソウだとすぐに分かります。



 タンポポに近い仲間なので、傷つけると白い液;乳液が出てきます。



 ヤクシソウは、薬師草なんだろうと言われていますが、なぜそんな名前なのかは諸説ありますが、確かなものではなりません。
 







クロハラアジサシ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2016年10月14日 13時45分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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渡り鳥が南へ動く季節。出石川下流の加陽湿地に2羽のクロハラアジサシが飛来しました。チドリ目カモメ科の鳥で、春と秋の渡りの時期に希に豊岡盆地で観察される希少種です。


春の渡り期には、名前の由来となった「黒い腹」をしていますが、繁殖を終えて南へ渡る秋には、黒い羽根が白い羽根に生え変わります。写真の個体はまだ少し黒い羽根を残していますが、2羽で飛来したもう一方の個体の腹は真っ白でした。


2羽は、国交省が大規模な湿地造成を行った堤外に数日間滞在しました。水中の魚を飛行中に見つけると、真っ逆さまに落ちてゆきます。


勢いよく水中に飛び込み、魚の捕獲を試みますが、100%成功するわけではありません。何度かに一度、自分で食べられるサイズの小魚を捕まえます。


小型のフナを捕まえました。クロハラアジサシは魚を専門に捕まえるわけではなく、田んぼや草原の虫も餌にします。

海に近い豊岡盆地、オセアニア方面の越冬地へ向かう道すがら、海鳥のクロハラアジサシが旅の中継地として時々利用して行きます。

写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

ズキンタケ

執筆 稲葉一明   掲載 2016年10月02日 19時45分   カテゴリ たじまのしぜん » きのこ

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ズキンタケ    ズキンタケ目 ズキンタケ科 
頭巾茸        (Leotia lubrica )




ズキンタケ、3〜5僂両さなキノコ。頭部はこぶし状。やや緑色がかっている。秋に林内地上部に発生。色合いなど多くの変異があり複数種に分類されているようだが、諸説あるようだ。小さいので食用の対象とされることはないであろうが、食毒不明とされている。


非常に小さくてマイナーなキノコであるが、全世界に分布し普通種らしく、群生することも多いので、秋の山歩きで少し注意すれば出会えることもあるかもしれない。よく見ると美しくてかわいらしいキノコである。



生物の分類は界・門・網・目・科・属・種と分けられている。キノコの仲間は菌界・真菌門で、真菌門は担子菌亜門と子嚢菌亜門に分けられている。子嚢菌亜門には盤菌鋼という一群があって、ズキンタケはそこに属している。

ミナミメダカ

執筆 コウノトリ市民研究所   掲載 2016年09月29日 22時33分   カテゴリ たじまのしぜん » どうぶつ

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ミナミメダカ   ダツ目 メダカ科

 日本に生息するメダカは、キタノメダカとミナミメダカの2種とされています。丹後・但馬地方はそれぞれの分布域の境目にあたり、両種とも生息しています。キタノメダカについては、2013年7月の投稿http://www.tajima.or.jp/modules/nature/details.php?bid=481
を参照してください。
 今回はミナミメダカです。分布域は、日本海側では京都府以西、太平洋側では岩手県以西となっています。





 生息環境はキタノメダカと同じです。小川や田んぼ横の水路、沼地など、流れの緩やかな水域に住んでいます。これらの写真は、但馬のとある河川流域で撮影しました。但馬ではそれぞれの河川流域ごとにメダカの種類や遺伝的なタイプが異なります。それぞれの地域のメダカを大切にしなければなりません。


 上:ミナミメダカ 下:キタノメダカ

 キタノメダカとミナミメダカの、気になるその見分け方です。両種はとても似ているので、ぱっと見ただけでは分からないでしょう。背びれにある大きな切れ込みが浅いか深いかで見分けることもできるそうですが、それよりも確率が高いのが、尾びれの付け根にある黒い部分と言われています。


左:ミナミメダカ 右:キタノメダカ

赤線で囲った、この黒い粒状の集まりが、ミナミメダカでは二つの楕円を上下に並べたようになっていますが、キタノメダカでは弓状です。(キタノメダカの方は鱗の黒い模様があるので注意)今回採集した個体全てにこの黒色の斑紋があった事と、採集地がミナミメダカの分布域であるという事から、ミナミメダカと同定しました。


 水路の水草の陰に潜むミナミメダカ

 今回撮影した生息地は、あまり広くない水田エリアです。限られた場所で何とか存続しているような状態です。宅地造成などが行われれば、瞬く間にここの群れは消滅してしまうでしょう。また、メダカたちはそれぞれの地域ごとに環境に適応して進化してきており、遺伝的にも異なります。ペットショップで購入したものや、他の地域のメダカの放流は、その特性を壊してしまう事が考えられるので、止めなければいけません。
 それぞれの地域で生き延びてきたメダカたちが滅びることがないよう、私達は気を付けなければなりません。

 写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

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