アカネ アカネ科
アカネは山地に行くとよく目に入る多年生の植物です。
茎にも葉柄にも葉の裏の葉脈にも葉の縁にも逆向きのトゲがあります。周りの植物などに巻き付いて上にのぼるのに便利な実につる植物らしい姿をしています。
アカネは一度教えてもらうと忘れない特徴的な葉の形をしています。
特徴その1、結構大きな葉が4輪生しています。葉柄が十字を作りその先に葉がついていて風車みたいにも見えます。4枚の葉のうちの2枚は本当は葉ではなく托葉が大きくなったもののようですが、見分けがつきません。特徴その2、葉身の基部は心形で、先がとがったハートのように見えます。
花は8月ごろから咲き始めます。葉の脇から集散花序が出てきます。花の色は、黄緑色~白色です。花弁は深く5裂し、雄しべが5個、雌しべは花柱が2個あります。
果実は直径5〜7mm、液果で黒く熟します。2個がくっついていますが、1個だけしか残らないものもあります。
アカネは、赤根です。根には赤い色素が含まれ、奈良時代より前から利用され茜染めと呼ばれています。茜色は色としても古代から親しみのあるもので、「あかねさす」は、「日」「昼」「照る」「紫」などにかかる枕詞として和歌によく見られます。
アカネは赤色の染料としてよく知られていますが、根の中に赤い色素が十分にたまるまでに3年を要し、1,2年目の根との区別が難しいなどの技術的な難しさから赤色の染料のは紅花などに変わっていきました。
今日でもアカネは染料として用いられていますが、葉が6枚輪生する西 洋 茜、葉が4輪生するインド茜が用いられています。しかし、日本茜で染めたいと思われる方があり、いくつかの場所で栽培されています。