在来種3種混生。カンサイタンポポ、オオクシバタンポポ、シロバナタンポポ
今年は、5年周期でやって来るタンポポ一斉調査の初年度に当たります。
はじめは大阪だけで実施されていたタンポポ調査が近畿圏に広がり、やがて周辺の県にも広がりました。今では四国と九州の一部も含む西日本一斉の調査になっています。
2019年は予備調査、2020年が本調査です。皆様にもぜひ協力して頂いて沢山のサンプルを集めたいと思います。
この図は、タンポポ調査・西日本2015調査報告書から引用したものです。
http://gonhana.sakura.ne.jp/tanpopo2015/doc/report2015.pdf
全調査地点が打たれています。濃淡の差が激しく、但馬・丹後が白いのがお分かりだと思います。空白を埋めるためにぜひともご協力をお願いします。
カンサイタンポポ
調査の結果を簡単に振り返って見ます。
カンサイタンポポは、関西一円に広くあるものと思われていました。ところが、日本海側には極めて少ないことが分かりました。但馬では、竹野町切浜~田結までの海岸沿いに線状に細く、但東町や朝来市が福知山市と接するあたりに点々と、また朝来市が丹波市や神河町と接するあたりに点々と生育することが分かりました。どこも数は多くありません。田結はシカの食害で姿を消しました。新温泉町の海岸部に記録があるので現地に行ってみましたがヤマザトタンポポが普通にあるだけでカンサイタンポポは見つけられませんでした。私の意見ではこれは怪しいです。
ヤマザトタンポポ
ヤマザトタンポポは、但馬には広く生育します。山に近い集落の農道沿いなどによく見られました。2010年の調査ではよく目につきましたが、2015年の調査ではなかなか見つけられませんでした。どうやら減っているようです。
クシバタンポポ
クシバタンポポは神鍋山に非常に大きな群落があります。見渡す限り一面がクシバタンポポです。他の在来タンポポは花の色が特徴的ですぐに見つけられますが、このタンポポは、花の色が外来タンポポとよく似ているので見つけるのが難しいです。サンプル数が少なくどんな場所に生えているのかよく分かりません。要注意のタンポポです。
オオクシバタンポポ
オオクシバタンポポ(仮称)は、兵庫県では但馬の2カ所でしか発見されていません。幸いなことに2ヶ所とも変わりなく生育しています。しかし、もともと総数は多くありません。
キビシロタンポポ
キビシロタンポポは、香美町の南西部~新温泉町の南部に広く生育することが分かりました。また、豊岡市と朝来市にごくわずか生育することも分かりましたが、朝来市は情報が少なくて実態がよく分かりません。
セイタカタンポポ
シナノタンポポ
植木か何かについて移入してきたのではないかと思われるセイタカタンポポ、シナノタンポポも数カ所で見つかっています。場所をピンポイントに教えて頂いて見に行きましたが、これを見つけた人は、すごいと思います。沢山の目で見ることの威力だと思います。
雑種タンポポ;ニセカントウタンポポ
これが一番厄介なタンポポです。総苞外片が反り返っていませんが、外来タンポポです。昔は総苞外片が反り返っていたら外来タンポポと断言できましたが、最近はこんなのが増えて来て困ります。各地で増えていますが、コウノトリの郷公園にはたくさんあります。ニセカントウタンポポという名前で呼ばれることもあります。
詳しいことはhttp://gonhana.sakura.ne.jp/tanpopo2020/index.php
「タンポポ調査・西日本2020」をご覧ください。
分からないことがあれば、コウノトリ文化館の菅村まで問い合わせてください。