2月のまとまった積雪で、里山林縁には餌を求めてたくさんの野鳥が姿を出しました。そんな野鳥を狙ってカメラマンも集まってきて、出現ポイントはひととき賑やかでした。路肩の急傾斜のコンクリート法面は、雪が付かないのと、山からの水が苔を育て、そこに植物が生え、ちょっとしたビオトープになっています。
そこに現れた鳥のひとつがハギマシコです。漢字で「萩猿子」です。黒い地色に萩色が織り込まれた、渋い羽色が特徴です。英名のAsian Rosy finch、アジアのローズピンクのアトリ科の鳥の意味です。後頭部から背中にかけて、褐色が目立ちます。
最初1羽だったハギマシコ、やがて2羽が姿を見せるようになりました。ハギマシコは冬鳥ですが、当地では真冬に観察することはほとんどありません。秋渡りと春渡りの移動の時期に、私たちの生活圏に出現する鳥のイメージが強いです。越冬場所は山の上の崖地だろうと推測しますが、雪山に登って確認することは難しいです。
これは何年か前に出会った、春渡りのハギマシコの群れです。生活道路法面の崖地に集まっていました。ハギマシコは、こういった岩がゴロゴロした場所を好んで姿を見せます。
冬鳥の代表アトリ科の鳥の中でも、目にすることが少ない種ですが、渡りの時期や、今回の出会いのように大雪の後とかに、私たちのすぐ近くまでやってくることがあります。