シラサギ類の中で一番小さいのがコサギです。豊岡盆地では、春以降に水田や湿地環境でよく見かけますが、冬には姿を見なくなるのがこれまでの認識でした。渡り鳥ではないので、餌の採りにくい冬の間は、暖地に移動しているのだろうと考えていました。
写真は1月に撮影したコサギです。他のシラサギとの明らかな違いは、足の指が黄色いこと。他のシラサギは黒いです。黄色い足指を見れば、すぐにコサギと識別できます。
ちょんまげんのような冠羽を持つことも特徴です。冠羽は繁殖期には長くなってよく目立ちます。冬の間は短く、幼鳥にはこれがありません。
くちばしの色が一年中、黒というのも他のシラサギと違う点です。ダイサギやチュウサギは、繁殖期には黒いくちばしが、秋以降は黄色に変わります。
同じく1月に撮影したコサギです。右はダイサギです。大きさが違うのは明白ですが、先に説明したように、コサギには冠羽があることや、くちばしの色が違うことにも注目しましょう。
今年の1月末の撮影です。六方田んぼに4羽のコサギの群れがいて、水路や冬期湛水田で採餌行動をしていました。かつては、冬にはほとんど見かけることがなかったコサギが、ここ数年の間に、冬でもたびたび見かけるようになってきました。年間を通して南方系の鳥が時々姿を見せたり、これまで南に渡る旅鳥として観察していた種が当地で越冬したりと、気候の温暖化による影響と思われる野鳥の行動の変化に気づきます。
コサギの越冬個体が増えてきた要因も、同じ影響によるものかもしれません。