コウノトリ文化館のデッキにホタルトビケラの成虫がいました。幼虫は河川上流域の流れの緩い場所に棲み、砂でミノムシのような巣をつくります。成虫は秋に出現します。ここにはババホタルトビケラの生息記録もありますが、大きさからホタルトビケラとしました。ババホタルトビケラは東日本の平地に多く生息する種で、兵庫県ではコウノトリの郷公園でのみ見つかっています。
これはヨツメトビケラ。コウノトリ文化館の上にあるビオトープの横を流れる溝で見つかります。こちらは春に出現し、あちこちの渓流でたくさん飛翔するのが見られます。幼虫は同じような砂の巣をつくります。
ムラサキトビケラは大きく目だつ種類です。これも、文化館のデッキで発見。落ち葉で巣をつくり、里山の緩やかな流れに住みます。
川の中の石をめくると、小さな虫が這いまわります。これはカゲロウとカワゲラの幼虫。トビケラと合わせて代表的な川虫で、淡水魚の餌としても重要です。川に多様な環境があると、川虫も種類と量が多くなります。
写真(ホタルトビケラ)高橋信
写真(ヨツメトビケラ・ムラサキトビケラ)・文 上田尚志