後鰓目 アメフラシ科
今の季節、磯ではアメフラシ類の産卵が始まっています。浅瀬にもいるので陸からでも岩場に集まっているところを見ることがあります。但馬の海にはアメフラシの仲間は何種類か住んでいるようです。巻貝の仲間でして、小さな貝殻が背中に埋まっています。外見からは貝殻は見えません。
この写真は産卵中と思われます。雌雄同体です。この黄色い麺のようなものが卵塊です。ウミソウメンと呼びます。食用になるウミソウメンもありますが、それは海藻の一種でして、アメフラシの卵ではありません。
こちらはかなり大きな個体で30センチほどありました。ワカメを食べているようです。アメフラシ類は藻食です。対してアオウミウシなどのウミウシ類は肉食でして、カイメンなどを食べます。
こちらは産み終えた卵塊。けっこう大きな塊です。
浅瀬にいた個体。アメフラシは英語でSea hare(Hareは野ウサギのこと)と呼びます。つまり、「海のウサギ」です。上に突き出した触角がウサギの耳に見えるからだそうです。ナメクジやカタツムリと違い、眼はこの触角の付け根にあります。眼はとても小さいので、この写真ではわかりません。見た目がナメクジに似ているので、あまり好まれないかもしれませんが、「海のウサギ」と思って見るとイメージが変わるかもしれません。
写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也