シロハラクイナは沖縄諸島で留鳥として観察され、本州ではめったに観察されることはありません。豊岡盆地では1998年6月に六方川で、2002年5月に円山川で、それぞれ単独個体が観察されました。今回、円山川での登場は11年ぶりのことです。
非常に警戒が強く、対岸からの観察も容易ではありません。ようやく護岸ブロックの陰に姿を現しました。名前の通り、白い腹が特徴的に目立ちます。
ほかのクイナと同様、尾羽を立てて警戒しながら歩きます。水辺から斜面に駆け上がり、草の中から虫を探している様子でした。
シロハラクイナは西日本各地に神出鬼没で時々現れるようです。沖縄の留鳥が、新天地を求めて本土への進出を狙っているのでしょう。その偵察隊が、このように隠密行動で各地をチェックして回っているようです。何十年か先、シロハラクイナが但馬でも珍しくない鳥になっているのかもしれません。今現在は、とても珍しい鳥には違いありません。
写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信