この8月、市内の神武山公園の桜(ソメイヨシノ)の倒木の中から、チビクワガタの幼虫4匹を見つけて捕獲しました。ケースの中に朽木を入れ、水分管理しながら幼虫を飼育したところ、一ヶ月ほど経って4匹ともちゃんと羽化しました。
チビクワガタは南方系の小型クワガタ。体長1.5cmほどの小さなクワガタです。雌雄の外観上の大きな違いは無く、生殖器を調べて同定しないといけないほどです。
但馬では円山川沿いに分布が確認されていますが、数の少ない甲虫です。生活のほとんどを朽木の中で過ごしているため、人目につくことが少ない甲虫で、その生活史や分布域も不明な点の多い種です。
9月に羽化したチビクワガタは、成虫のまま朽木の中で越冬します。春から初夏にかけて産卵し、また新しい繁殖サイクルが始まります。
写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信