出石町奥山にあるお蕎麦屋さん「剣」で、おいしい手打ち蕎麦をいただいていると、そこの御主人が仰います。
「奥山にはまぼろしの滝があるのですよ」
今はコロナ禍で三密を避けねばなりませんが、地図にも載っておらず、まぼろしならば人もいないだろうと、のこのこ出かけたのでした。その結果は? やはり幻なのでした。
旧出石町と和田山町を結ぶ県道10号線の奥山集落に至る前に、まぼろしの滝の看板があります。看板の案内によれば、1の滝と2の滝があり、それぞれ20分と10分程度の行程のようです。注意も具体的に書いてあり、まぼろしとは思えぬほどはっきりしています。これは案ずるよりも生むがやすしでたどり着くことが出来そうです。
看板の横のお地蔵様に滝に至る行程の無事をお願いします。
歩き出してすぐに、分岐点を示す看板があります。ここが分岐点のはずですが、道が分かれているように見えません。やはりまぼろしは幻で終わるのか、、。
今は赤いリボンを頼りに先に進むしかありません。
赤いリボンがあるので、道に迷うことはありませんし、倒木などは歩きやすいように処理がされていますが、沢を横断するところもあります。行った日は晴天が1週間ほど続いた後で、沢の水は少なかったですが、雨の後に行くと結構しんどいかもしれません。
実は、まぼろしの滝を発見し、看板や赤いリボンをつけてくださったのは、お蕎麦屋さんの御主人によるものです。奥山集落出身の御主人が、地元を元気にしようと活動されているものです。
沢を越え、崖をのぼり(だいぶ誇張が入っています)、15分ほど行くと、かすかに水の落ちる音が聞こえてきます。ついに!まぼろしの滝に到着しました。
滝は2段に分かれており、目分量で上段が3mほどで岩盤に広がるように、下段が4mほどで切り取ったような口からこぼれ糸を引くように流れています。晴天続きの後で水量は少なめです。
滝の静かに落ちる音、清浄な空気、マイナスイオンに包まれて、しばし静かに時を過ごします。
しかし、まだすべきことが有ります。もう片方の滝もまぼろしで終わらせないために、見つけ出さねばなりません。分岐点まで戻ります。
分岐点まで戻ったのですが、もう片方の道が分かりませんでした。やはりまぼろしの滝は幻だったのでしょうか、、。
その後ネットで見てみると、分岐点を下に降りると1の滝に行くことができるようです。1の滝は、今回行った2の滝よりも大きく見ごたえがありそうです。次こそはと、心に誓うのでありました。
入り口付近にはスカンポが生えています。かじると少し酸っぱい汁が口に広がり、疲れを癒してくれますよ。