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雪景色の大屋町を巡る!養蚕農家住宅の町並・大杉から日本遺産の鉱山町・明延まで

取材日:2021年1月19日

但馬の冬景色を求めに養父市大屋町にやってきました。
大屋町の入り口で出迎えてくれる木彫アート作品は、2020年12月リニューアルされ設置されたものです。
真っ白な雪景色のなか鮮やかな存在感を見せてくれていました。

おおやアート村ビッグラボ

まずは、おおやアート村ビッグラボを訪れました。
こちらの施設は、2010年に閉館した旧兵庫県八鹿高校大屋分校が2012年にリニューアルして「おおやアート村ビッグラボ」として復活しました。
アートの展示が行われているほか、イベントやワークショップなど面白い企画をたくさんされています。

ビッグラボの富士男校長先生も真っ白に!

そんなビッグラボには、校長先生がいるのをご存じでしょうか?
その名も大屋 富士男(おおや ふじお)校長先生。
ビッグラボから眺めることのできる山、通称「大屋富士」に、ビッグラボ駐車場の脇にある「丸眼鏡と口ひげ」の看板をあてはめると山が校長先生になるのです。

富士男校長先生は、季節に応じていろんな表情をみせてくれますが。
冬は、真っ白で少し老けたような気がしますね…

ざんざこ踊りで有名な大杉地区

続いて、ざんざこ踊りで有名な大杉地区にやってきました。
大杉ざんざこ踊りは、毎年8月16日に、二宮神社に奉納されます。
2020年は、新型コロナウィルス感染拡大により実施があやぶまれましたが時間を短縮したり、少人数にするなどして開催されたそうです。

【関連記事】2015年に行われた大杉ざんざこ踊りの様子

三階建の養蚕住宅

大杉地区と言えば、三階建の養蚕住宅群が国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されていることでも知られています。
3階建ての養蚕農家住宅は、全国的には極めて少ないそうですが養父市内には多くみられました。
中でも大杉地区内には、12棟の3階建て養蚕住宅があり独特な景観をつくりだしています。

ふるさと交流の家・いろり

宿泊やイベントスペースにもなっている旧養蚕農家住宅「ふるさと交流の家」です。(※現在は休業中)
古い土壁の家々がが雪に覆われている様子は、まるで日本昔話にでてくるような風景にも見えてきますね。

木彫展示館(旧栃尾家住宅)

大杉地区内には、養父市立木彫展示館があり、養父市が主催する木彫の全国公募展「木彫フォークアート・おおや」の入賞作品が常設展示されています。

この建物は、明治中期に建てられた診療所とその住宅を改修したものだそうです。
歴史のある建物だけあって雪景色に調和していますね。

雪をかぶった木彫アート

大杉地区には、木彫アートがあちこちに設置されています。
雪をかぶっていて、少し寒そうですがいっそう味わいのある作品となっていますね。

【関連記事】三階建養蚕農家群 大屋大杉地区をめぐる

雪の鉱山町・明延を巡る

ビッグラボや大杉地区のある養父市役所の大屋地域局周辺からさらに車で20分弱ほど行ったところにある明延地域に来てみました。
こちらは、さらに雪の量が多い印象があります。

明延地域は、かつて「日本一の錫鉱山」として1987年(昭和62)に閉山になるまで日本の高度経済成長を支えました。
現在は、日本遺産「鉱石の道」近代化遺産としての注目を集めています。
その鉱山町の面影をたどりながら、明延の雪景色を見ていきたいと思います。

春を待つ一円電車

日本遺産・鉱石の道のシンボル的な存在でもあるかつての鉱山鉄道・一円電車も春が来るのをじっとまっています。
一円電車を復活させる取り組みが行われていますが、2020年は新型コロナウィルスの感染拡大の影響もあり一円電車の運行が数回しかされませんでした。
今年は何度も運行できるような状況になることを願います。

【関連記事】明延鉱山・一円電車に乗ってみた!

明延の鉱山町の町並み

明延の街中には、鉱山町の面影を残す町並みが残っています。
昭和30年代には、4000人もの人が暮らしていたという明延。
街にはスーパーや百貨店、理容店など生活に必要なものはたいていそろっていたと言います。

龍の口から炎のようにはかれた「Cigarette」の文字が印象的なたばこ屋さんの看板も往時の賑わいを伝えるものです。

一円電車の体験乗車会が開かれる広場の近くにあったこちらの建物は、かつて「協和会館」と呼ばれた鉱山従業員の娯楽集会施設でした。
映画館やコンサートなどで多くの人でにぎわっていたのだそうです。

鉱山労働者の憩いの場「第一浴場」

明延地区には、鉱山労働者のための憩いの場として共同浴場が6か所あったそうです。
こちらの建物は一番最初に建てられた「第一浴場(明盛共同浴場)」で、国の近代化産業遺産にも認定されています。
雪景色の似合う少ししゃれたデザインになっていますね。

明延川沿いの鉱山町の風景

雪景色の明延川と家並みです。
土地を少しでも有効利用するため、川にせり出すように建てられた家々をのぞむことができます。
それだけ多くの人々がかつてこの地域に住んでいたということがわかりますね。

北星社宅

山の斜面に建てられた北星社宅は、1936年(昭和11)頃に建設された鉱山従業員の社宅の一部で通称「長屋」と呼ばれています。
鉱山の最盛期には、約780戸もの社宅があり鉱山労働を支えていました。
ほとんどの社宅は取り壊されたそうですが、市営住宅として利用されているわずかだけ現存しています。
雪深く寒い冬の日も明延鉱山のたくさんの人々が働いていた光景が浮かんでくるようです。

明延自然学校

廃校となった明延小学校の旧校舎は、あけのべ自然学校として活用されています。
かつてグラウンドがあったところには巨大な三角屋根の多目的施設として整備されています。
雪が積もっていても、すごいスピードで落ちていきそうですね。

明延小学校には、鉱山が最盛期の昭和34年には、全校生徒784人いたそうですが、閉校した昭和63年には11名まで少なくなっていたとのことです。

あけのべ自然学校では、スポーツ合宿や自然学校などの野外活動の受け入れのほか、かつて稼働していた鉱山跡を見学できる明延鉱山探検坑道も実施されています。
4月~11月第1週までの日曜日に予約なしで坑道見学できるほか、その他の日についても事前に予約すれば見学することができます。
2021年の実施状況は、明延鉱山のホームページをご覧ください。

 

雪景色の大屋町は、昔ながらの養蚕農家住宅や、かつて賑わいを見せた鉱山町などしんしんと降る雪が似合う町並みでした。
また見所も多く雪が溶けて、春が来たらじっくりと訪れてみたくなりますね!

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取材日:2018.11.18(ふるさと特派員例会)

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