駅からレンタサイクルや列車に自転車を輪行して行くことのできる見どころ情報をお送りする「駅サプリ」。
(サプリは補足という意味です。「たじま途中下車の旅」を”個人的に”補足し、またお読みくださる皆さんの心の栄養補給の足しになれば幸いです。)
第14回はJR山陰線「豊岡駅」です。(たじま途中下車の旅「昭和レトロな和洋折衷の復興建築が並ぶまち・豊岡を歩く」を先に見てね)
豊岡駅はJR山陰線と京都丹後鉄道宮豊線が乗入れているのです。
豊岡駅の構内には「しあわせの鐘」が設置されています。「あの鐘を~ 鳴らすのはあな~た~」と(和田アキ子になったつもりで)歌いながら打ち鳴らし、旅を始めましょう。
豊岡駅は2011年に新しい駅舎が完成し、外観はとてもモダンな感じがしますが、構内には古いものが大切にされているのです。
明治42年の鉄道敷設時に建設された給水塔(右上)、転車台(左上)、大正末期に建てられた機関庫(写真の建物かどうか、よくわかりません)などがあります。(参照:豊岡観光協会Facebook)
右下は京都丹後鉄道駅舎に設置されている手動式発車時刻案内表示板です。
豊岡駅東口から南下し、約400mほどで日吉神社に上る坂が左手に見えます。
春は桜、秋は紅葉が楽しめそうです。
神社が鎮座する山王山の麓には、令和3年度春に開学する芸術文化観光専門職大学の校舎などの建設が急ピッチで進んでいます。
「芸術文化と観光分野の2つの視点を生かし、世界につながる新たな価値を創造できる人材を育成します」(参照:大学HP)
日本伝統の神社と、新たな価値観を生む新たな大学が隣接しています。
神社本殿の前に金属性の灯篭があり、その台座付近に面白いものを発見!
お猿さんが手をつなぎ、輪になって踊って(?)います。どんな意味が込められているのでしょうか。
日吉神社の上り坂から更に900mほど南下すると、カトリック豊岡教会があります。
1922年(大正11)に、鉱山王と呼ばれた中江種造氏の別荘として建てられました。主屋は木造2階建、寄棟造瓦葺き、正面に2階までのびる玄関ポーチを有し、外壁は小口タイル張りが施行されています。アーチ状の玄関、ステンドグラスがはめこまれた小窓、2階の和室にも上げ下げ窓が施されるなど、趣向が凝らされています。(参照:ザ・たじま)
レトロな建物と緑に囲まれた庭園、モネの絵画のようです。
一度、日吉神社の周辺まで戻り、町中にある小高い丘、神武山公園に登りましょう。ここは桜の名所として知られ、夜にはボンボリの明かりが灯ります。
公園内にある豊岡城本丸跡からの眺めは、なかなかよろしいですよ。
神武山公園南側の麓には達徳会館があります。
明治29年、県下で2番目に古い中学校として建てられました。豊岡に現存する明治期の数少ない擬洋風官公庁建築の一つです。昭和11年、校舎建て替えの際に同窓会組織が譲り受け、以降大切に保存されてきました。昭和47年に付近で大火がありましたが、焼失をまぬがれました。
どうですか、レトロではありますが、モダンな感じがしませんか?
豊岡復興建築群のことは、たじま途中下車の旅に詳しく出ています。ここでは建物のクローズアップをお届けします。
大正14年の北但大震災以降、防火のため鉄筋コンクリート造りで建てられ、当時の職人さんが、意匠を凝らして腕を振るったに違いありません。その中にはモダンに感じられるものもありますね。また、その心意気を現在まで残してきた地域の皆さんもエライ!
さて、写真の建物がどこにあるか、皆さんは幾つお分かりですか。
豊岡市役所の真ん前に、オーベルジュ豊岡1925があります。
この建物は復興建築を結婚式場、宿泊、レストランなどに使用できる施設としてリニューアルしたものです。
レトロが逆におしゃれですね。私も1度だけ食事をいただきました。大変美味しゅうございました。
さて、最後にお届けするレトロ&モダンは、弘化4年創業の老舗料亭「とゞ兵」です。
カバンストリートのアーケードの一番南に、アーティスティックな作品が描かれているのがとゞ兵さんです。世界的に活躍されている大山康太郎氏が手掛けておられます。またお店のHPには「アートや音楽、文化や業種。様々な人と人がつながる場所。兵庫県豊岡市の廃業していた老舗料亭を複合施設に変え、新しい業態で再利活用。」とあります。是非検索してみてください。
豊岡でなにか起こりそうな予感。楽しみです。
豊岡駅の周辺には、レトロとモダンが共存していたのでありました。皆さんも探してみませんか?
但馬はいつでも、旅人を迎えてくれます。
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