「但馬五社(但馬五社明神)」は、但馬を代表する主要神社5つの総称です。
北から、
【絹巻神社(きぬまきじんじゃ)】豊岡市気比
【小田井縣神社(おだいあがたじんじゃ)】豊岡市小田井町
【出石神社(いずしじんじゃ)】豊岡市出石町
【養父神社(やぶじんじゃ)】養父市養父市場
【粟鹿神社(あわがじんじゃ)】朝来市山東町
それぞれの神社で、但馬の国造りに関係する神様を祀っています。
初詣はもちろん、それ以外の日でもこの「但馬五社」を巡ることは大変ご利益があると言われています。
新年が良い年になりますように、「但馬五社巡り」挑戦してみてはいかがでしょうか?
各神社同士の間隔は約12kmほど。
北端の【絹巻神社】または、南端の【粟鹿神社】から、一筆書きのように巡るとスムーズかと思われます。
それでは、北から順に各神社について、詳しい情報をお伝えします。
住 所:豊岡市気比字絹巻2858-1
連絡先:0796-28-2468
アクセス方法:JR城崎温泉駅 → 全但バス日和山行「小島」下車 徒歩約10分
主祭神「天火明命」と、配祀神「海部直命」「天衣織女命」を祀る神社です。
主祭神の天火明命は太陽神であり、『古事記伝』において「ホアカリ」=「穂赤熟」=「稲穂が熟し赤らむ」意味とされているため、農業の神としても信仰されています。
海部直命は、瀬戸の水門(切戸)の底にあった土砂などを取り除く工事を命じた人で、工事を行って以降、円山川沿岸は洪水禍をまぬがれたと伝わることから、但馬開拓の神の1人とされています。
円山川と並行して南北に延びる境内の絹巻山は、社名の由来とも言われています。
周囲を暖地性原生林(県指定天然記念物)に囲まれ、温帯・亜熱帯の植物が自生しているほか、ヒメハルゼミの生息地としても知られています。
全国でも珍しい、おしりを上げた狛犬がいますので是非探してみてください!
住 所:豊岡市小田井町10-14
連絡先:0796-22-2029
アクセス方法:JR豊岡駅から徒歩約20分/全但バス日和山線「小田井」下車 徒歩5分
祭神「国作大己貴命」を祀る神社で、『延喜式神名帳』に記されている式内社(国が祀るべき重要な神社)でもあります。
国作大己貴命は、いわゆる「大国主神」のことで、国津神の主催神であり国造りの神とされています。
大昔、泥湖だった豊岡において、来日岳のふもとを穿ち瀬戸の水門を切り開いて水を海に流し、水利を治めて農業を開拓されたことから、但馬開拓の神の1人とされています。
小田井縣神社の末社に「柳ノ宮神社」があり、豊岡鞄のルーツである柳行李を祀っていることから鞄の神様として親しまれています。
豊岡市最大の祭りである「柳まつり」は柳ノ宮神社の例大祭です。
住 所:豊岡市出石町宮内99
連絡先:0796-52-2440
アクセス方法:JR豊岡駅または江原駅 → 全但バス出石行「鳥居」下車 徒歩7分
但馬国一の宮であり、祭神は但馬開発の祖神の1人「天日槍命」と天日槍が将来したという八種神宝の神霊「伊豆志八前大神」。
『出石神社由来記』には、天日槍が入江湖であった但馬地方を瀬戸の岩戸を切り開いて耕地にしたと記されています。
現在の社殿は大正3年に再建されたもので、豊岡市指定文化財です。
社宝として、南北朝時代に活躍した但馬の刀工「法成寺国光」作の脇指「但州住国光脇差(国の重要文化財)」1振を所蔵しているほか、仙石家や山名家ゆかりの品など数多くの文化財的価値の高い品を所蔵しています。
境内東北の一角には禁足地が存在し、古来より草一本も刈り取る事が許されず、禁を破れば祟りがあると言い伝えられています。
住 所:養父市養父市場840
連絡先:079-664-1555
HP:http://www.yabu-jinja.jp/xoops/
アクセス方法:JR養父駅 → 全但バス山口生野線・八鹿建屋線「養父明神」下車すぐ
祭神は農業・養蚕・牛馬の神「倉稲魂命」を始め「大己貴命」「少彦名命」「谿羽道主命」「船帆足尼命」の5柱を祀っています。
『延喜式神名帳』に記された式内大社の1つであり、天平9年(737)『但馬国税正帳』には出石神、粟鹿神と共に名を連ねる古く格式高い神社です。
江戸時代には「養父大明神」と呼ばれ、弥高山の山頂に上社、中腹に中社、現在地に下社が祀られていたそうです。
年間を通じて多くの祭りがあり、特に4月の「お走り祭り」は有名で、養父市無形民俗文化財に指定されています。
拝殿の前に狛犬と並んで1対の尻尾を高く上げた姿の「狼」の石像があります。
明治26年(1893)年に建立され、口を開けているのが雌、閉じているのが雄です。
農業の神を祀る養父神社では、田畑を荒らす猪や鹿から作物を守る益獣として「狼」を守り神・神様の使いとしているのです。
住 所:朝来市山東町粟鹿2152
連絡先:079-676-2465
アクセス方法:JR梁瀬駅 → タクシーで約10分(要事前連絡)
主祭神「阿米弥佐利命」「彦坐王命」のほか、配祀神として「月讀尊」など諸々の神々を祀っており、2000年以上の歴史を持つ但馬国最古の社とされています。
出石神社と共に但馬国一の宮を競るほどの重要な神社で、『延喜式神名帳』では明神大社(国家祭祀が行われる大変重要な神社)に名を連ねています。
実際、朝廷の尊崇が厚く、国家の大難に際して4度の勅使が派遣され、そのご加護として勅使門が建てられたとされていますが造営年代は定かではありません。
勅使門の羽目板の左右には鳳凰が刻まれていますが片方の首が切り取られており、但馬七不思議※の1つとされています。
※「勅使門に施された2羽の鳳凰の彫刻が毎夜うるさく鳴くため、作者の左甚五郎が1羽の首を切り落としてしまった。するとそれ以降、鳴くことはなくなった。」という逸話。
改めて、神社にお参りするときの作法をまとめてみます。
多少間違っていても神様は懐の深く広い方ばかりなので問題はありませんが、せっかくなので正しい所作で神様も自分も気持ちよくお参りしてみるのはいかがでしょうか?
《鳥居をくぐるとき》
鳥居は、私たちの住む世界と神様の住む世界の境界線であり、いわば「玄関」です。
「お邪魔します・失礼します」という気持ちを込めて、一礼してからくぐりましょう。
また、お参りが終わって帰る時には鳥居の前で振り返って、「お邪魔しました」と一礼するとさらに良いです!
《参道を歩くとき》
参道を歩くとき、ついつい真ん中を通っていませんか?
実は、真ん中は「正中(せいちゅう)」という神様の通り道なんです。
歩いている神様の邪魔をしないよう、真ん中を避け少し左右に寄って歩きましょう。
《手水の手順》
最近は感染症対策で省略されたりしますが、これにも作法があります。
①右手で柄杓を持って十分な量の水を汲む
②左手を清める
③左手に柄杓を持ち替えて、右手を清める
④再度右手に柄杓を持ち替えて、左の手のひらに水を受けて、口をすすぐ
⑤柄杓の持ち手が下になるように垂直に立て、残った水で柄杓の持ち手を洗う
途中で水を汲みなおしてもOKですし、④については衛生上厳しい場合は省略して大丈夫です。
柄杓に直接口をつけることはNGですのでご注意ください。
また、柄杓がなくかけ流し式の手水となっている場合は、
①出ている水に両手を出し清める
②水を両手で受ける
③手にためた水で口をすすぐ
④もう一度両手を清める
でよいそうです。
《拝礼の手順》
拝殿の前に来たら次の順番でお参りをしてみましょう!
①鈴や鐘など鳴らすものがあれば鳴らす
②お賽銭をお賽銭箱へ入れる(軽く投げ入れましょう)
③姿勢を正し、深いお辞儀を2回
④胸の高さで柏手を2回
(右手の指先が左手の第二関節に触れるくらいの位置で手を打ち鳴らすのがコツです)
⑤手を合わせ、抱負や感謝を祈る
⑥姿勢を正し、深いお辞儀を1回
これがいわゆる「二礼二拍手一礼」の作法ですが、神社によっては違うところがあります。
その場合は拝殿に「参拝の方法」といった看板が出ていますのでそれを参考にしてみてください。
今年は、雪の心配がない年末年始となりそうです。
ただし!気温は低い日が続くようですので、車でも徒歩でも、移動の際には路面凍結に十分ご注意いただき、怪我のないよう良き年の瀬をお過ごしください。
今回ご紹介した但馬五社だけでなく、地元の氏神様や自身に縁ある神社へ「2023年のお礼参り&2024年の新年のご挨拶」に行き、晴れやかな気分で新たな1年を迎えてみてはいかがでしょうか?
もちろん、神社だけでなくお寺に初詣もOKです!除夜の鐘付きついでにお参りもいいかもしれません!
お寺の参拝の時は拍手は不要ですので、静かにお参りしてくださいね。
2024年も皆様にとって、実り多き良き1年となりますように!!