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オオアブノメ 久しぶりに見つかりました

オオアブノメ  オオバコ科
環境省絶滅危惧Ⅱ類(VU)・兵庫県RDB Aランク種
玄武洞の近くに豊岡市立玄武洞スポーツ公園があります。この公園は、元々は上流にあった運動公園が引っ越してきたものです。2004年の台風23号により豊岡は大変な被害を受け、円山川緊急治水事業の一つとして河道内に遊水池が作られることになりました。その計画地に元々の運動公園があったのです。玄武洞スポーツ公園は引っ越し先として整備され、2018年秋に完成しました。この運動公園は、スポーツ施設としては異例なこととして広い環境保全エリアを持っています。さらに異例なこととしては、生き物のモニタリング調査を行っています。

オオアブノメは、春に行われた最初の植物相調査で発見されました。

広い環境保全エリアの一角に6株のオオアブノメが生育していました。生のオオアブノメを見たのは初めてのことです。まあ間違いないとは思いましたが、写真を撮り、すぐにHPにオオアブノメの記事を書いている知人に送りました。間違いないという返事が来ました。但馬では最初の発見です。その後の調査でもう一区画で1株発見できました。

オオアブノメは、オオバコ科の一年草です。茎は立ち上がって、10~20cm位になります。茎は四角形、多肉質で柔らかいです。花は葉の付け根に1個ずつきます。花は白で、多くのものは先が開かない閉鎖花です。今回の観察では種子はたくさん作りました。

ちょっと似たアブノメという植物がありますが、その名前のアブは昆虫のアブのことで、メはもちろん目です。その植物に似ていることからオオアブノメなのだと思います。花期も花の色も異なるので私はオオアブノメ?と思います。

兵庫県のレッドデータブックを見てみると、東播が産地として上がっています。いろいろと尋ねてみると東播で見つかったのは2006年のことで、今回は兵庫県で2例目の発見になります。東播の現状は不明で、ひょっとすると現状では兵庫県で唯一の産地かもしれません。東播の証拠標本は兵庫県立人と自然の博物館にないとのことなので知人に来ていただいて標本を人博に収めていただきました。その後、私は種子を採取して人博と姫路市立手柄山温室植物園に送りました。種子の一部は栽培され、残りは長期保存されます。現地で絶滅しても大丈夫なように生育地外で保全してもらう(域外保全)という保険をかけたのです。

この中に6個体のオオアブノメが生育していた。

オオアブノメは近畿地方からはほぼ姿を消しているそうです。大阪では河川の湿地を人工的に攪乱した際に出てきており、以後、人工的に攪乱を起こすことで維持されていますが、オオアブノメは一年草なので出たり出なかったりする差が激しいのだそうです。他にも蓮田で見つかっていると聞いています。
今回も環境保全エリアの造成工事による攪乱で出てきた可能性が高いと思っています。問題は、出てきた土の出自です。このあたりには、ひのそ島掘削工事で持ち込まれた土、台風23号の災害復旧の時に浚渫された土、元々ここにあった土が混在しています。聞き取りができていないので詳しいことが分かりませんが、周辺の植物は水田雑草というよりも、河川の氾濫原の植物に近いので、河川由来の土壌から発芽した可能性が高いと思っています。

オオアブノメは一年草で、撹乱依存植物であるため背の高い草が増えると姿を消します。また、常時湛水でも消える可能性があります。面倒な植物です。でも種子は、少なくとも数十年は生きているようです。見守っていきたいと思います。

掘削途中のひのそ島

浚渫後の整備が進む水田

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