たじまのしぜん

ムラサキケマン

ムラサキケマン ケシ科

やや湿ったところなら河川の近くにも山裾にも畑の横にも生えます。大きくても高さは50㎝程ですが、茎の先に淡紅色の花をたくさんつけるのでよく目立ちます。条件が良ければ群生して見ごたえのあるものになります。

わかりにくい写真で申し訳ないですが、画面右の方の葉はムラサキケマンで、左の方の葉はシャク

茎や葉は柔らかく、茎は見た目でも柔らかいのが分ります。

ムラサキケマンはケシ科ですので、有毒です。茎を折ると汁が出てきますが、嫌な臭いがします。わざわざ食べる人はいないと思いますが、この写真を撮ったときに隣に生えていたのはシャクでした。シャクは特別においしいというほどのものではありませんが食べられます。これが、似ているんですね、葉の形が。質感とかが違うので慣れた人は間違えません。でも、一緒に生えていたら間違える人はいると思います。なにしろ過去にはシキミの実とドングリを間違えた人が実際にいます。自信のないもの、怪しいと思ったものは決して食べないでください。ムラサキケマンは食べてもたぶん死にません。それでも嘔吐・呼吸麻痺・心臓麻痺などは起きると言われています。

花は左右対称です。4枚の花びらがあります。後ろは袋状になって突き出ています。この形は特徴的です。色は違いますがこの形の花をつける植物は但馬にたくさんあります。中でもキケマン、ミヤマキケマン、ヤマエンゴサクなどはよく目にします。

ムラサキケマンは有毒です。多くの昆虫たちにも毒になります。アセビの時のヒョウモンエダシャクと同様にムラサキケマンにもその毒を利用する昆虫がいます。ウスバシロチョウです。ウスバシロチョウの幼虫は、ムラサキケマンなどを食べて大きくなり、毒を体の中にためておいてそのまま成虫になります。有毒のチョウになるのです。目立つ白い姿で優雅に舞う姿は敵に狙われる危険を伴いますが、同時に私は危険よというアピールにもなります。今まで生き残っているのは危ないというアピールの方が勝っていたのでしょう。

果実はあと1ヶ月ほどすると茶色になるが触れると弾けて種子をまき散らす。

ムラサキケマンは有毒ですからシカも敬遠する不嗜好植物です。ところが食べるものが少なくなるとそうもいってはいられません。少々毒があっても食べ始めるのです。ムラサキケマンも減っていきました。ウスバシロチョウはどうなったでしょうか? もちろん減りました。激減です。しかも、減り始めたのはムラサキケマンの減少に人が気づく前らしいのです。食草が減る前からチョウは減りはじめ、食草が目に見えて減ったときには絶滅に近い打撃を受けているようなのです。人が気付いた時にはもう手遅れに近いのです。気づかれずに消えてしまった生き物が多くいるのではと危惧します。

ところで、名前の「けまん」ですが、華鬘と書きます。仏さまを祀る仏堂の飾りのひとつです。円形または楕円形の団扇みたいな形をしており、金銅や木や革で作られています。中央は透かし彫りになっており、その様子(模様)がケマン(タイツリソウ)の花に似ているようです。そのケマンの仲間なのでムラサキケマンという名前になったのでしょう。私は神社仏閣には無案内ですので、実際の華鬘がどんなものかよく分りません。今度、お寺さんに行ったときに探してみようと思います。

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