左の小さいのは、オニタビラコ。
右の大きいのが、タンポポ。
　タンポポは葉っぱが地面にへばりついています。中央にほとんど高さのない短い茎（くき）があり、そこから放射状（ほうしゃじょう）に葉が出ています。こんな形をバラの花の形に由来してロゼットとよぶのだそうです。そして、こんな葉をロゼット葉とよびます。
　ロゼット葉は、地面にへばりついているので、上に何かかぶさるものがあると太陽の光が、さえぎられてしまいます。日光が当たらないと光合成ができませんから日陰（ひかげ）の程度が強いと、葉はやがて枯（か）れてしまいます。そういうわけでロゼット葉は草むらの中では生きていけません。

上から見るとたくさんのロゼット葉があるのが分かります。
　ロゼット葉は冬に目立ちます。草はたいがい秋の終わりに枯れてしまうので、おおいかぶさって日光をさえぎるものがない冬は、ロゼット葉にとって栄養分のかせぎ時です。ロゼット葉をもつ植物は、他の草の背が高くなる前に太陽の光を存分に浴びて栄養分を蓄えます。
　ロゼット葉で植物の名前が分かるとかっこいいです。名前の分からないロゼット葉が、やがて大きくなって花を咲かせると正体が分かってうれしいです。ロゼット葉を観察するのは私の楽しみの一つです。

これは、ブタナ。

これは、近年、多くの種類が日本にやってきているチチコグサの仲間です。
大きくて幅広な方が、ウラジロチチコグサ。
小さくて細いのが、タチチチコグサ。
この場所には、ウスベニチチコグサも生えています。もちろん、在来種のハハコグサも生えています。