アレチウリ ウリ科
この植物について10年ほど前に「特定外来生物なので数が少ないうちに駆除しましょう。」という記事を書いています。
10年たってどうなったかというと、増えました。もう激増です。対策らしい対策は取っていないのですから当たり前と言えば当たり前です。同じ特定外来生物であるオオキンケイギクは、各市町の広報誌にも取り上げられて駆除すべきと周知され、実際に国や県の草刈りの時期が変更されたりもしていますが、アレチウリは放置状態です。
各地に数百m連続してアレチウリという場所があります。写真の場所は、数百mアレチウリ、わずかな空白、数百mアレチウリ、わずかな空白、が繰り返され数kmに渡ってアレチウリが繁茂しています。
アレチウリが繁茂すると他の植物は枯れてしまいます。非常に単調な植生になります。草だけでなく木も枯らしてしまうことがあります。これはという効果的な方法は開発されていません。ただただ地道にひらすら抜くしかありません。年に3回以上、それを5年くらい継続すると駆除できるかもというような厳しい戦いです。
一度入ると駆除は非常に困難です。侵入初期でないとお手上げに近いです。さらに、侵入が進んでから駆除してもかつて生えていた在来の植物たちが帰ってくるかというと、これもなかなか難しいという調査結果があります。
他の植物たちには厄介な敵であるアレチウリですが、昆虫たちにはどうなのでしょうか? 例えば、写真はカワラケツメイという植物ですが、これはツマグロキチョウという絶滅危惧種の食草です。多種多様な植物たちを食草にしている昆虫たちにとっても大きな迷惑だと思います。
迷惑な植物を思っていたアレチウリですが、たくさんの昆虫たちがやってきていました。蜜を求めてやってきているのでした。蜜は大量に出るようです。ネット検索をすると商品化もされていました。
この場所では、どうやらアレチウリは吸蜜植物として重要なものになってしまっているようです。アレチウリが入っていない場所ではまもなくセイタカアワダチソウが咲き始めます。こちらもたくさんの蜜を出します。外来種、しかも日本の在来の生態系に大きな影響を及ぼす種が、大きな役割を果たしている場所が少なからずあります。ただ、駆除しても元のようにはならないことも分かってきます。冷静に科学的に計画的に進めていかないといけないようです。
以下、昆虫写真が続きます。
30分ほどで撮影したものです。実際にはさらに多くの昆虫たちが利用しているのだと思います。