5月に現れる原始アゲハの仲間
5月の明るい谷間や草地を、滑るように草の間を縫って飛ぶ白い優雅なチョウがいます。ウスバシロチョウという名前のようにシロチョウの仲間のように見えますが、アゲハチョウの仲間です。
ウスバシロチョウは原始的なアゲハチョウの仲間で日本にはヒメウスバシロチョウ、ウスバキチョウと本種を含め3種類が分布します。アジア大陸には多くの種類が分布しており、中には赤い斑点があるエレガントな種もいます。氷河時代から続く草原に適応した北方系のチョウです。
但馬でも明るい渓谷などで見られますが、近年植生が荒れて個体数が減少している場所が多いようです。幼虫はムラサキケマンを食べますが、成虫は多くの花で吸蜜します。
神鍋山周辺では、道端のコンロンソウやハルサキヤマガラシで吸蜜している姿がよく見かけられます。
多くのアゲハのように羽に尾がありませんが、よく見るとシロチョウの仲間とかなり異なり、透明で清楚なイメージのチョウです。