但馬ではハゼ科の魚をまとめて「グズ」とか「グズッパ」と呼びます。川にも多くの種類が棲んでいます。このゴクラクハゼは川の中流域から河口にかけて棲んでいます。特に下流から河口にかけてが多く、海に流れ込む小川でも姿を見ます。体長10センチほどの、体側の青い斑点が美しいハゼです。
ゴクラクハゼが棲んでいる川。幅が3メートルほどの小川です。ここは河口から200メートルほどの場所です。ゴクラクハゼの他にも数種類の魚が泳いでいました。
上を泳いでいるのはウグイです。その下にゴクラクハゼが4匹。この組み合わせは、河口付近でよく見る組み合わせです。ゴクラクハゼの産卵期は夏から秋です。石の下に穴を掘って産卵し、オスが卵を守ります。ふ化した稚魚は一度海へ下り、プランクトンを食べて育ち、2か月ほど経つと川に戻ってきます。このような暮らし方をする魚を両側回遊魚と呼び、川に棲むハゼの仲間には多いです。
奥にいるのはスミウキゴリです。同じハゼ科の魚で、両側回遊魚です。この川にはゴクラクハゼ以外にもハゼ科が数種類棲んでいました。
写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也