今年の夏は例年と比べて、イシダイの稚魚がとても多いです。海水浴やスノーケリングで見られた方も多いのではないでしょうか。この写真のように、数十匹もの群れでいるところをよく見ます。
イシダイは主に磯に棲んでいる縞模様が特徴の魚です。これらの写真は竹野海岸で撮影しました。数センチほどの稚魚です。春から夏が産卵期ですので、今年産まれの稚魚でしょう。イシダイの稚魚を俗に「サンバソウ」とも呼びます。大きくなると80センチほどになります。30センチくらいまでは縞模様が鮮明ですが、それより大きくなると薄くなるか、消えてしまいます。特にオスは消えてしまうようです。
稚魚の頃は人間に近づいてきます。時々、体をつついてきます。
よく似た魚でオヤビッチャというのがいます。イシダイは目がある部分に黒い縞模様がありますが、オヤビッチャにはありません。見た目は似ていますが、オヤビッチャはスズメダイ科の魚です。夏の終わり頃に対馬海流にのって南の海からやってきます。冬が来ると、その生涯を終えます。
今年はイシダイの「当たり年」のようです。
写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也