たじまのしぜん

ヨシゴイ

ヨシ原の小さな忍者

円山川河口の湿地で、人工巣塔のコウノトリのヒナの巣立ち状況を観察していた時のことです。すでに梅雨は明け、朝から夏の強い日差しが容赦なく射し込みます。日陰に置いた椅子に座って観察中、右手の少し離れたヨシ原の中に、2羽の小さな水鳥が飛び込むのが見えました。ゴイサギ? いや、ひょっとしたら…

しばらく時間があって、飛び込んだあたりから2羽が飛び出しました。後ろ姿しか見えませんでしたが、白と黒の明瞭な2色に分れた翼の持ち主は、ひょっとしたらと思ったその鳥に違いありません。我が国では最小のサギ科の鳥ヨシゴイです。

私はこれまでヨシゴイとまともに出会ったこともなければ、写真に収めたこともありません。今回が初めてのヨシゴイとの遭遇でしたが、後ろ姿でだけでは話になりません。そこで、ヨシゴイをしっかり観察撮影している仲間に写真を提供してもらいました。

この写真は2013年春、円山川の豊岡市街地流域で撮影されたものです。南の越冬地から当地へ繁殖のために渡ってきたばかりのオス個体です。大きなオタマジャクシを捕まえていますが、これはウシガエルのオタマでしょう。

2011年秋、今回私が目撃したのと同じヨシ原で撮影されたメス個体または幼鳥です。フナを捕まえた瞬間です。足指が見えていますが、ヨシ原環境に生息するサギやクイナの仲間と同じように、長い指を持っています。水草やヨシの上を歩くのに都合よく出来ているのです。

上の写真と同じ観察時の全身ポーズ写真です。胸に長い茶色の縦斑が入っているのが特徴です。人や天敵などが近づくと、首を思いっきり細長く上に伸ばします。胸の縦斑はヨシの茎に同化し、ヨシゴイの姿はヨシ原に一体化します。その見事なカムフラージュをいつか見てみたいと思いますが、ヨシ原の小さな忍者の姿を見つけるのは簡単ではありません。

※写真提供:NPO法人コウノトリ市民研究所 橋本敏男氏

 

 

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