私たちの身の回りで普通に見かける野生鳩がキジバトです。たいていの人はこの鳥を山鳩と呼びます。山で暮らす鳩なので山鳩です。正式和名はキジバトです。翼の羽根模様が、キジのメスのような鱗状になっていることからの命名でしょう。また、首の横に水色と黒の横縞模様があるのも特徴です。
キジバトは冬の積雪量が増えると、山から里に出てきます。人の生活圏で餌を求めるためです。キジバトは雑食性ですが、冬は主に植物食になります。雪の季節にとくにキジバトをよく見かける場所は、河川敷の木です。集団で止まっていることもよくあります。遠目に見るキジバトは、小型の猛禽類と見間違えることもしばしばで、近づいてキジバトとわかると少しがっかりしたりもします。
除雪された山際の生活道路にもよく出てきます。林縁の木の枝から、雪と一緒に道路に落下している木の実がお目当てです。キジバトに限らず。里山で冬を過ごしている野鳥も。このように除雪道路に出てきます。写真はキジバトと一緒に採餌するシメという鳥です。
キジバトに限ったことではありませんが、ハトの仲間はピジョンミルクと呼ばれる、そ嚢で生成されるミルク状の液体を子育て中のヒナに与えることで知られています。タンパク質や脂肪などの高栄養素を含み、キジバトの繁殖期間が他の鳥類より長い要因とされています。キジバトの繁殖地は市街地から山地にかけて広く、公園などの植栽の木の枝でもよく繁殖しています。繁殖期にオスが鳴く「デデポー・デデポー」の声は、みなさんも聞き覚えがあるかもしれません。
雪の季節、キジバトが私たちの身の回りに寄って来きます。少し気をとめてもらえば、すぐそこに、キジバトの姿を見つけることができるでしょう。