2010年に複数の越冬個体を観察して以来のケアシノスリと、六方田んぼで遭遇しました。2021年2月11日の午前、あぜ道を巡回中えらく白いノスリを1羽見つけて、それが今回のケアシノスリでした。専門用語で跗蹠(ふしょ)とよばれる足指の上の部分が、白と茶色のまだら模様の短毛でおおわれているのが毛足ノスリの特徴です。普通のノスリはここに毛がありません。
白い鳥が飛来すると、たいがい土着のカラスが追い回して排除しようとします。今回のケアシノスリもすぐにハシボソガラスに見つかって、執拗に追い回されていました。飛んでいるときの尾羽に注目すると、白い尾羽の先端に暗色の帯が通っているのがわかります。ノスリにはこれがありません。
ケアシノスリが畔に降りているとき、普段見かけない白い鳥に気付いたコウノトリも興味をそそられて近寄ってきました。ケアシノスリとコウノトリの2ショットは、豊岡盆地ならではのシーンとして印象深いです。
飛び立ったときのケアシノスリの写真です。初めてこの鳥を見たときから、その神々しい姿に魅せられました。白いタカは美しいです。
今回のケアシノスリは、午後になってから田んぼを飛び立ち、東に隣接する里山の稜線を越えて消えて行きました。結局、この日の数時間の観察で通り過ぎてしまったようです。どこか別の場所で越冬していたケアシノスリが、北の繁殖地へと向かう一人旅の途中、たまたま六方田んぼに立ち寄ったものと思われました。
ケアシノスリの飛来はごくまれです。11年前のように、またここで一冬過ごしてくれたら嬉しいです。次のめぐり逢いを待ちたいと思います。