1年前にブッポウソウの15年ぶりの観察機会のことを記事にしました。標高の高い山林でペアで行動する様子までは確認しましたが、結局繁殖の証拠を得ることなくシーズンを終えました。この写真は昨年の観察時のものです。近くの電線から飛び出したところ。下からの撮影ですが、ブッポウソウの特徴がよく分かる写真です。
さて、今シーズンは昨年の観察場所ではブッポウソウの気配がまったくなく、何度か通って様子をうかがいましたが、結局一度も遭遇することがありませんでした。そんな折、私たちが野鳥少年と呼んでいるN君から、通学路の途中でブッポウソウを見たという報告を受けました。峠道を保護者の車で送り迎えしてもらいながら中学校に通っている彼が、助手席から目ざとくブッポウソウを見つけたのでした。
彼によれば、アカマツの立ち枯れが目立つこの山域に、ブッポウソウがいてもおかしくないなあと思いながら車に乗せてもらっていたら、本当にブッポウソウがいたのでびっくりしたとコメントしてくれました。
※丸印の場所にブッポウソウが止まっています
野鳥少年情報をもとに、私たちおじさんバーダーが目撃エリアをチェックした結果、たしかにブッポウソウの存在を確認できました。道路からかなり離れた稜線上の立ち枯れに何度か止まっているのをチェックし、おそらく繁殖ペアと思われる2羽が求愛給餌を行う様子も遠くから観察しました。
このエリアは、豊岡盆地を囲む東側の山域の山麓に近い場所で、すぐ近くに農地や人の住居があります。昨年は盆地からかなり離れた山地での観察でしたが、今年は盆地の縁の低標高の場所でブッポウソウが見られたのです。
立ち枯れが増え、今後ブッポウソウが当地でも増えてゆくだろうと、昨年の観察時に予測していましたが、その予測どおり、早くも盆地の近隣でブッポウソウが繁殖を始めた様子でした。今回の事実確認は、野鳥少年N君の観察眼のおかげです。若い世代が但馬の自然環境に目を向けてくれることは、私たち古い者にとって何よりうれしいことです。これからも、どんどん新しい発見をし、私たちを驚かせてくださいね。