10月17日、朝来市山東町粟鹿神社秋季例大祭で瓶子渡(へいじわたし)の儀式が古式ゆかしく行われた。
勅使門、年二回の大祭(祈年祭・例祭)以外に開かれることはなく、俗に「開かずの門」とも云われる。
拝殿では祝詞奏上、玉串奉奠などの儀式が行われる。
粟鹿神社は 但馬五社の一つ。但馬国随一の古社であり、2000年以上の歴史をもつと言われる。
本殿前のこの階段で【瓶子渡】の儀式が行われる。
御陵柿、茄子、稲のひこばえ等を盛った三宝を本殿に納める。
麻の裃を着用した4人の当人のうち2人が本殿前の階上と階下に分かれる。
「さあござれ」「さあ」と云いながら三宝を受け取るため階段を下る。
「さあ」と言いながら、左右交互に差し違えながら受け渡しに向かう。
「さあござれ」「さあ」「さあ」と左右交互に差し違えながら近づく。
「さあ」「さあ」これは意気が合わずやり直し。
数回繰返し意気が会った時に三宝を階上の者に渡し、殿内に納めて儀式が終わる。
残りの三宝も本殿に納める。
毎年10月17日に、二百数十年も続いている全国的にユニークな奇祭「さあござれ」が行われる。