蘇武岳の山中にジキタリスが「圧巻の景色」を醸し出しているらしい、と新聞で知りました。
これは行かねばならん、まるで絵本「花さき山」のようで、主人公「あや」や「山ンば」に出会えそうではありませんか。
雨が降りそうな曇り空の下、のこのこ出かけたのでした。
例によってスクーターにまたがり、まずは妙見・蘇武林道を目指します。幾つかのルートがあるのですが、まだ行ったことがないということで、豊岡市日高町の万場スキー場から上ることにしました。
舗装道路ではないかしらと、かすかな期待を寄せていましたが、所々に舗装がある程度で、概ね砂利道、荒れ道です。
鹿が幾頭も目の前を横切り、狸がお尻を向けて逃げ去ります。「山ンば」の前に「熊ンば」に会わないかと、少々ビクつきながら走ります。
見出しに偉そうなことを書いていますが、林道の蘇武岳駐車場から山頂まで、歩いて6分位で行くことができます。
新温泉町の加藤文太郎、豊岡市の植村直己もここに立ち、この景色を眺めたかと思うと、感慨深いものがあります。同時にたった6分歩くだけで1074mの山頂に着くとは、何と便利な世の中になったかと少し拍子抜けです。
ここから但馬空港もみえるのですよ。曇り空なのですが、高い所から見る景色は気持ちのいいものです。
妙見・蘇武林道から三川線に移り、しばらく走ると、「秘境・小城集落眺望駅」の看板があります。なるほど、山の中に「ぽつんと一軒家」が見えます。
このあたりから、ジキタリスの群生が見られるようになります。まずは写真から。
びっくりです。圧巻です。言葉を失います。
日当たりの良いところを選んで、数キロにわたりジキタリスの花が見受けられます。鹿の食性に合わないのか、環境条件が良かったのか、繁殖力が強かったのか、、、
最初に脳裏に浮かんだのが、正直に言うなら、「これは観光スポットになるのでは?」という思い。
そして、周辺をウロウロするうちに、「これは、もしかして、外来種のアカンやつではないかしら」という思い。
もし、栽培して増やしておられるようでしたら、私の全くの誤解です。ごめんなさい。
仮にそうでないのなら、今では大変な問題になっている「オオキンケイギク」や「セイタカアワダチソウ」のようにならないのかしらん。
まあ、確かにきれいなんですけどねえ、、どうもねえ、、心配しちゃうのですよ。
林道ができて、山頂にすぐ登れて、喜んでいる自分。山の中に道を通して、多くの有用があるけれど、ある意味では自然破壊しているのも確か。外来生物も林道も、どちらも人間がまいた種なんですけどねえ。
ジキタリスの花畑からしばらく道を下るとサナの滝があります。
石が組まれたような崖の上から、静かに流れ落ちているのでありました。
更に山道を下り、集落の細い道を上ると、西ヶ岡の棚田があります。
山の斜面に張り出した棚田に、苗が大きくなりつつあります。その向こうには但馬大仏の長楽寺が望めます。
今回は何かと考え込んだレポートでした。