豊岡市街地の大開通り、駅通り商店街の一角に2020年の12月、小さな図書館「本と暮らしのあるところ だいかい文庫」が誕生しました。
三井住友銀行やカバンストリートへの交差点からほど近くの場所にあります。
どんな場所なのでしょうか?気になるので行ってみました。
お店の窓に、この図書館のメッセージ、コンセプトのようなものが書いてありました。
本を借りたり買ったり、コーヒーが飲めたりと、なにやら自由そうで新しそうな図書館ですね
店内はこじんまりとしていましたが、壁一面に大きな木製の本棚が設置され、おしゃれな照明もあって雰囲気がとてもよかったです。
中央には、店内で本をよむことができるように机と椅子が設置されています。
だいかい文庫にある本は、一部の購入用の新刊書籍を除いて、2週間借りることができます。
本の貸し出しには、リブライズというウェブのシステムが使われており、LINEかfacebookのアカウントがあればで登録できます。
初回のみ登録料300円がかかりますが、その後の貸し出しは無料となります。
登録の仕方がわからないという場合は、店頭で丁寧に教えていただけますよ。
またSNSアカウントがない場合、別途費用を払えば図書カードを貸与し、本を借りることができるとのことです。
だいかい文庫の図書館は、シェア型の図書館です。
文庫内に自分だけの本棚を持つことができるオーナー制度「一箱本棚オーナー」で運営されています。
店内に、約60区画あり、月額2400円で本棚を借りて好きな本を並べて訪れる方に貸し出すことができます。
本棚は、個人だけでなく、法人やグループで借りることもできますよ!
さらに棚のオーナーになると店頭に立つこともできるほか、運営会議に参加できたり、イベントを企画する権利なども付与されます。
訪れた日も本棚のオーナーさんが店番をされていました。
本棚のオーナーになった場合は、本棚に好きな本を置くことができ、各本棚に名前をつけることができます。
本名で表示されている本棚もあれば、置いてある本のコンセプトなどから思い思いの名前が付けられていたりします。
神戸新聞の但馬総局さんの本棚もありました。
新聞の記事の書き方の本や、おすすめの新聞記事のスクラップなどもみることができましたよ!
子供向けの絵本が置いてある本棚もあります。
親子連れで来店される方も多いそうですよ。
本は、2週間借りることができて返却するときに借りた本棚の名前や本のタイトル、感想を書きます。
このメモは本棚のオーナーさんが見たり、お客さんが借りるときの参考にしたりするのだそうです。
入って右側の壁面には、ビニールがかけられた販売用の本が並んでいます。
こちらの本は、だいかい文庫のスタッフの方などが、訪れた方に読んでほしい本をセレクトして販売しているのだそうです。
お店に入って左側は、カフェスペースとなっていて、コーヒーや紅茶、ビールも!販売されていました。
売り上げは文庫の運営費に充てられるとのことです。
コーヒーを飲みながらゆっくりと店内の本を読むこともできますが、現在は、新型コロナウィルスの感染拡大防止のため持ち帰りのみとなっています。
だいかい文庫は、「ケアとくらしの編集者」という一般社団法人が運営されています。
代表理事である守本陽一さんは、豊岡市で医師をされています。
守本さんらは、医療関係者が地域に出ていくことで、病院の中だけでは解決できない課題にアプローチすることができるという考えのもと、2016年から移動式屋台を引いてカフェを始め、地域の方と話すことで地域とケアの橋渡し役をする取り組みをすすめられてきました。
そうした思いが、だいかい文庫にも込められており、本を通じた交流により様々な人の居場所になるような場所を目指しています。
そのような取り組みに共感した人も多く、だいかい文庫開設の資金集めと周知のために行われたクラウドファンディングでも2ヶ月ほどで約290万円が集まったそうです。
豊岡のまちにできた小さな図書館は、本が借りれるというだけでなく、地域の方々の交流があり「暮らし」のある場所となっています。
本によって一歩踏み出せたり、明るい気持ちになったり、救われたりすることが多くあるというスタッフの思いのもと、まちに暮らす人が、同じくまちに暮らす人に本を貸すことで、「本による処方箋」を実現しています。
本と暮らしのあるところ だいかい文庫は、シェアする図書館で、ケアするこのとできるあたたかい場所でした。
本と暮らしのあるところ だいかい文庫
住所:兵庫県豊岡市中央町6-1
※開館日は、ウェブまたはインスタグラムでご確認ください。
HP:https://carekura.com/daikaibunko
instagram:https://www.instagram.com/daikaibunko/
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