ここ日高町山本地区は近くに住宅が立ち並びますが、有数の米どころである国府平野が広がっています。5年前に用意されていた人工巣塔で、3羽の孵化が確認されたのは、5月14日でした。
その後育雛中だったのが、7月9日に一羽、11日に二羽目が、残る一羽の巣立ちが注目されていました。13日金曜の午後、巣塔にヒナがいないことが確認されました。白をベースに黒が混じった目立つ大きな体が巣塔のどこにも見られません。
午後3時前巣塔から北へ100m離れた休耕田に、巣立ちしたヒナ3羽が仲良く並んで餌を食べていました。まもなく親鳥が飛んできて、子ども三羽をみまもっているように見えます。幼鳥といいながらも体は大人並み、ときおり羽根を少し拡げてバタバタさせ、餌をねだるようなそぶりもします。
ここにケージを作ってつがいを入れて環境に慣れさせ、順次放鳥したのが5年前の2007年6月でした。しばらくは近くに居たものの、騒がしい環境を嫌ってか、餌が容易に手に入るのがいいのか、郷公園に戻ってしまい、住民をがっかりさせました。人が作為した前回とは違い今度は鳥の意志に基づいたもの。「放鳥後も必ず付近にいると確信している。人と生き物が 共生できる地区にしたい」という区民の願いが叶って欲しいですね。