菖蒲綱引きが、行われる久谷地区は、新温泉町の東端にある戸数60戸前後人口約300人の集落です。久谷の「綱引き」行事は「菖蒲綱」と呼ばれ以前は旧5月5日に行われていましたが、現在は毎年6月5日に行われます。菖蒲縄引きは、久谷地区の人たちが綱の中心をはさんで子供組と大人組と分かれて、古老のうたう「石場突唄」にあわせて「エイトー、エイトー」のかけ声をかけながら7回引き合います。また、7回目の勝負を「締め綱」と呼び、最後の一番に大人組が勝つことでその年の五穀豊穣と村の安泰が約束されます。
菖蒲綱は、久谷の子供達が各家庭の屋根に上げられた、菖蒲を集め、大人の人達が菖蒲とよもぎ・藁とで編みこみ、最初は直径15cm、長さ20mの綱を3本作り、保存会の若者達が「石場突唄」に合わせ、それぞれよりをかけ、それを飛び交いながら三つ組の一本綱を作る。これを繰り返して、直径30cm、長さ20mの綱を2本作り、この2本をつなぎ合わせて、長さ40mの綱が出来上がります。以前は、この後補強のため藤葛を使用していましたが、現在は6cmのロープを使用しています。