竹野海岸のカンサイタンポポ
カンサイタンポポは名前の通りに関西地方を中心に広く分布すると思われていました。ところがタンポポ調査2005によって但馬にはほとんど分布しないことが分かりました。そんな中で但馬にはわずかしか生育しないカンサイタンポポが集中的に分布する場所があります。その一つが竹野海岸です。
赤丸は豊岡市以外
カンサイタンポポは、長い山陰海岸の中でほぼ豊岡市の範囲にしか生育しないという不思議な分布をします。
赤丸は香美町
竹野海岸のカンサイタンポポは、海岸線から1㎞も陸側に入るともう見られません。ヤマザトタンポポという別の在来タンポポに置き換わるのです。豊岡の海岸ではカンサイタンポポは海岸線の道路に張り付くように生育するのです。
豊岡市田結。兵庫県の東端
香美町香住区相谷。ヤマザトタンポポの中にわずかに見られる。
私が最初にカンサイタンポポを見たのは竹野スノーケルセンター周辺です。ここには個体数が多く、また密度濃く分布します。西に向かって但馬海岸道路(但馬漁火ライン)沿いに調べていくと宇日、田久日という平家落人伝説のある集落沿いにまとまって分布することが分かりました。道の脇が広い場所にも点々と生育していました。旧豊岡市に入り津居山の神社にも生えていました。さらに西に向かうと城崎町、旧豊岡市の気比には見られず、行き止まりの田結に出てきました。
では東向きはどうでしょう? 竹野町浜須井に見られ、香美町に入って100mくらいの地点に見られました。そこが私の見た但馬海岸のカンサイタンポポの西限です。
ところで、豊岡市以外には海岸沿いにカンサイタンポポは見られないのでしょうか?
2005年のタンポポ調査報告書には豊岡市以外の海岸線にカンサイタンポポのポイントが3カ所あります。浜坂町栃谷、京都府久美浜町旭、久美浜町河内です。どの地点も次の回の調査報告書には出てきません。もともと数が多くなかったのですが、いつの間にか姿を消していたのです。私は、たまたまどこかから入ってきたものが一時的に生えていたのだろうと思っています。有性生殖をするカンサイタンポポにはよくある話です。
蒲入ロードパーク。黄色いのはカンサイタンポポ
2020年、2025年のタンポポ調査では、京都府の海岸線で発見できたのは、丹後半島にある伊根町の蒲入ロードパークだけです。ここの芝生にカンサイタンポポがたくさん生えています。私は、このカンサイタンポポは、ロードパークが作られたときに張られた芝にカンサイタンポポの種子がたくさん含まれていて、それが世代を重ねているのだと思っています。
赤丸は豊岡市以外
地図の右下端に赤丸があります。このポイントの意味を説明します。ここは綾部市故屋岡町です。小浜綾部線の路肩にカンサイタンポポが生えていました。私はここより海の近くではヤマザトタンポポは見てもカンサイタンポポは見ていません。なぜかここで止まっているのです。逆方向はどうかというと、極端なことを言えば、京都市まで、さらに遠くまで連続してカンサイタンポポが見られます。
竹野海岸のカンサイタンポポは謎です。
もとからあったのか? どこかから来たのか? 興味の尽きない謎です。

























