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コバノフユイチゴ 冬苺だけど夏に実がつきます

コバノフユイチゴ バラ科

一株に一個の果実。食べる側としてはたくさんついてほしい。
 但馬には、16種類ほどの木イチゴの仲間が生育します。
 黄色い実をつけるものが1種類、黒い実をつけるものが1種類、赤橙色の実をつけるものが1種類、白の実をつけるものが1種類、オレンジ色の実をつけるものが1種類で、後は赤い実をつけます。

この規模(写真に写っているのは全体の4分の1くらい)でも結構大きな群落になる。それでも果実はこれだけしかない。
 稀少な数種を除いてほぼ全ての実を食べることができました。
 一株に一個しか果実がつかず、それが離れてあるので集めるのには苦労しましたが、今回、コバノフユイチゴをたくさん食べることができました。

一度に集められたのはこれくらい。もう一回集めることができた。
 私の感覚では、身近にたくさんある木イチゴと比べてみると、おいしくないクマイチゴとまずまずおいしいクサイチゴの中に入りました。
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クマイチゴ<ナワシロイチゴ=コバノフユイチゴ<クサイチゴといった感じです。
 コバノフユイチゴは、名前で分かるようにフユイチゴの仲間です。

フユイチゴ。たくさんの実がつく。
 フユイチゴやミヤマフユイチゴは海岸から低山に生育し、コバノフユイチゴは、ブナの生えるような標高の高いところに生育します。フユイチゴの仲間は、他の木イチゴと違って常緑です。フユイチゴの仲間の葉は、冬の間、雪の下で過ごします。コバノフユイチゴの場合は、多雪地帯の林床に生育しますから数mもの雪の下で過ごすことになります。雪を布団として過ごすためには背が高くなってはいけません。そのためかコバノフユイチゴは、地面を這うようにして広がる匍匐性の木イチゴです。

深く裂ける托葉。フユイチゴの托葉はすぐに落ちるが、コバノフユイチゴは残る。
 木イチゴの仲間は、先がとがったモミジのような形の葉を持つものが持つものが多いです。中には複葉になっているものもあります。その中で、コバノフユイチゴは、切れ込みがなく丸い形をしています。コバノフユイチゴは、常緑であり、切れ込みもないというなかなか個性的な木イチゴのようです。

フユイチゴやミヤマフユイチゴは、9~10月に花を咲かせて、11月~1月に赤い実をつけます。コバノフユイチゴは、5~7月に花を咲かせて、8~9月に赤い実をつけます。

一株だけ花が咲いていた。他はみんな食べ頃なのにまだ咲いている。さすがに野生種はいろんな個体がいる。
 フユイチゴやミヤマフユイチゴの実は、雪に埋もれる前に動物たちに利用されてなくなります。きっと糞となって種子がばらまかれるのでしょう。コバノフユイチゴは深い雪の下に埋もれていますので、同じような時期に実をつけていたのでは動物たちが利用することができません。そのために8~9月に実をつけるように適応したのだろうと思います。

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