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畑上の大トチノキ 

2025年 下から見ると健康そうに見える。

畑上の大トチノキ

樽見の大ザクラなど但馬には国指定の天然記念物になっている樹木が何本かあります。

豊岡市畑上に大トチノキがあります。

『但馬の巨木100選』には、「昭和26年に国指定の天然記念物となった。県下最大のトチノキである。主幹は直立しているが、あいつぐ風雪害により大枝が折損し、枝数は少ない。昔、海が荒れたとき、夜になると天狗がこの木の上で灯をともし、漁師はその灯を頼りに寄港したといい伝えられている。」と書かれています。

トチノキは、ブナ帯の沢沿いに生える木です。豊岡市の場合、蘇武岳などのブナ林に隣接して巨木がたくさん残っています。そんな場所を生育地とするトチノキが、海岸から10kmもない標高340mほどの場所に生えているのは珍しいことです。また、漁師の目印になっていたという言い伝えも残り、それらも含めて天然記念物に指定されたのだと思います。幹周りは7.2mで県下最大である日高町の万場天神社のトチノキの7.58mに迫ります。

この辺りに軽トラックなら数台とめられる。

重浪神社横の細い林道を2.5kmほど進むと標識が見えてきます。

標識に従い川を渡ってしばらくするとトラロープが張られているのが目に入ります。このロープ沿いに登っていくと目的地に間違いなく近づくことができます。

目的地に近づくことができると書いたのには意味があります。目的木に到着できるわけではないのです。

市指定のトチノキ巨木。十分立派。

2018年撮影。2025年にはなくなっていた。

急な坂道を登ってきて真っ先に目に入る巨木に惑わされてしまってはいけません。疲れを吹き飛ばす立派な木に目的を果たしたと思って帰ってしまう人があります。ネット上にはこの失敗談がたくさんあります。実は、この木は、豊岡市指定天然記念物の木なのです。

目的の木はさらに上にありますが、他の木が邪魔して見えません。

 

2025年。破損しているがオシャクジデンダ、ウバユリ、ムラサキシキブなどが生えており風格がある。

2025年。上から見ると痛々しい。

2018年。中にはキノコが生えている。穴を塞いでいたトタン板も穴の中に落ちている。

2018年。支柱は既に機能していない。2025年には既に撤去されていた。

長生きしているだけあってダメージが蓄積してきています。

2018年の段階で、主幹の上部は失われており、大きな空洞が見られました。谷側の下部は立派な姿をしていますが、山側の根元には大きな洞があり、キノコが発生していました。上部の大きな枝は折れており、バランスが悪い樹形をしています。残念なことにバランスを保つために残る大枝を支える構造物は壊れていました。静かに着実に危機が進行しているように見えました。

2025年。一番大きな花の集まり。

2025年の大トチノキは、3カ所にわずかな花をつけているだけでした。市の指定木が全体に大量の花をつけているのと対照的な姿でした。当然ながら、下に落ちている花の数も全く違いました。

このトチノキ群の花を目当てにミツバチの巣箱が設置されていました。

このトチノキたちが永く生き続けてくれることを願います。

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