とても小さなアミホコリ。ヒメ、お姫様、戴冠した姿がりりしい。
単子嚢体は群生または散生、高さは約1㎜まで、子嚢の径は0.1~0.3㎜で、暗褐色から橙色。肉眼で見つけることは非常に難しい。その分見つけたときの喜びも大きい。
特徴的なのは、壁網の大きな網目。かごを被せたような、冠を乗せたような、砂糖細工のスイーツを連想するかもしれない。
アミホコリ属は類似種が多く同定が難しいものが多いが、代表的なフシアミホコリなどは単子嚢体の高さは3ミリ程度に達し、微小なヒメアミホコリとは全く存在感が異なる。
子実体が微小なヒメアミホコリ類似種にはコビトアミホコリ、スミレアミホコリ、ヤマアミホコリなどがあるが、ヒメアミホコリは浮き上がった壁網の大きな網目がわかりやすい種ではないかと思う。
とても小さいのという点では見つけにくい変形菌の一つと言えるかもしれないが、世界的汎用種で腐木・生木樹皮に普通に発生するようだ。湿室培養でよく出現するという。
私のわずかな経験では、梅雨期などにアカマツの倒木などで比較的見つけやすい大型のアミホコリ類を見つけたら、じっくりとその周辺を探してみる。
すると高い確率でこいつがいるように思う。探すといっても肉眼ではほとんど分からないので、デジタルカメラのマクロで目一杯に寄って、少なくとも等倍以上でそのあたりを撮影して見る。すると、かわいらしいヒメアミホコリが写っている、という経験を何度かしている。
余談になるが、同じく非常に小さなクビナガホコリをこの方法で発見したこともある。他の変形菌の子実体を発見したらその足元及び周辺をさらにじっくり探してみることは1㎜までの微小な変形菌を探す一つの方法かもしれない。